音声入力。田原のおねり歌と神おどり(2)(続 つくで百話)
晴れの良い天候でした。
先日,Googleドキュメントで,初めて「音声入力」を使いました。
スマホで,Siri に話しかけたり,「OK Google。明日の天気は?」と聞けば,それぞれ“適当な答え”が返ってきます。その機能(音声認識)に感心しています。
文書作成でも,その機能が発揮されるだろうと思いながらも,これまでしてきませんでした。
パワーポイントのスライドから動画を作成することが増えました。その動画からの“文字起こし”です。再生した動画からGoogleドキュメントが読み込んでいきます。「加減」が「下限」や「過言」となっていましたが,十分に使える精度でした。
むしろ「別の言い方をしないと,聞き間違いするかもしれない」と,説明の仕方を見直すことができました。
今回,スライドの説明をする“言葉”でしたが,次は“会話”でも使えるか試してみようと思いました。
みなさん,音声入力を使っていますか。
『続 つくで百話』(1972・昭和47年11月 発行)の「田原のおねり歌と神おどり」の項からです。
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田原のおねり歌と神おどり
田原 菅沼宇一
(つづき)
拝殿の中で,おみこしうつしの行事が行なわれているとき,広庭の裃役が,おねり歌を大声あげて歌います。
歌詞
本 千年ふる この御神のおたびには
相 やーよ神も やーよやよ
本 ご幣もそよそよのかーみもそろよめく
相 さーよ 神もさーよさよ
本 氏子栄えておお芽出たー
相 そーよ 神もそーよそよ
このおねり歌は,大太鼓の伴奏で歌われます。そしておみこしは,西田原から,東田原へと,約三時間かかって御渡御になります。その道中では,くり返しおねり歌が歌われます。
お帰りは,社前下の御旅所で休まれ,その正面の舞台で神おどりが行なわれます。先ず若い娘衆の浦安の舞から始まって稚子の三番叟があがり,ついで裃十三人の神おどりの奏上となります。
神おどりの歌詞
高砂の松の緑も重なり いく千代いく千代も かぎりなの さまよい はいよい
相生の松の若葉も重りて いく千代 千代も かぎりなの さまよい はいよい
住吉の松の若葉も重りて いく千代いく千代も かぎりなの さまよい はいよい
君も豊かに 治まる御代の
国も豊かに 治まる御代の
民も豊かに治まる御代の
浜松の風 ざざん ざあー
神おどりが終わると,弓の御神事があります。このときは,奉仕者に選ばれた弓の名手が金的を射るのですが,金的にあたらないと次の行事に移ることができません。日露戦争の頃,弓の神事の矢とりを命じられた西尾米作,鈴木彦九郎という二人の少年がありました。西尾はなくなりましたが鈴木は現存しております。生存者の鈴木彦九郎さんの思い出話によりますと,前年のお祭りのとき,宮崎の弓の先生が射手になられたが,中々当たらなかったので,その年は,村内の峯田利家,峯田利英,横山忠宗の三師範が射手となられたが,三人とも,第一矢で見事金的を射とめられたそうです。射手の方々が,古式床かしい引目法の射式でやられた堂々たる所作は七十年後の今日も,なお瞼にのこっているといっておられます。この時以来三光(三つ金的をかける)の儀式が採用されることになったということです。
弓のご神事が終ると,再び,おねり歌で,本殿へお帰りとなります。
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