集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

地区総会。家具調度品 『灯 3』(続 つくで百話)

雛人形0222。 朝,晴れそうな天候でしたが,予報通り雨模様になり,昼前には雨が降り出しました。  午後,激しく雨の降りました。びっくり!  午後,地区総会でした。  本年度の事業報告,会計報告があり,議事がありました。それぞれ検討され,承認されました。  続けて,次年度の役員選出されました。  一年間,ありがとうございました。来年度,よろしくお願いします。  『続 つくで百話』(1972・昭和47年11月 発行)の「民具について」です。 ********     民具について   小林 峰田好次 家具調度品  石油  一般の家庭に於いて石油を灯とし得たのは,明治も程経た頃である。  最初はカンテラから始まる。ブリキ製の如何にも安っぽい製品である。多くは円形であるが,外用手提に角形のものがあり,硝子張りブリキ製の筥形の手提の中へ嵌込まれる。円形の油胴の底には円錐の細い筒が胴内に挿入られ,蝋燭立の釘に差止められるよう工夫されてある。  やがて,ランプがその上に加えられるに及んで一種の雰囲気を醸し出し,照明度も上り,夜の闇も稍遠のいて夜を楽しむ生活が始まったと言えよう,カンテラが火先から絶えず黒い油煙を細く立昇らせるのに比らべ,巾広い一枚の花弁のようにパッと燃えている様は,魅力的であり驚きでもあったのである。 灯0222。 他の灯用具と同じく,吊る,置く,提げるの用途に合はせて,吊ランプ,台ランプ,手提ランプとあって中々に美しい。  それ等,ランプの中でも吊ランプは特に好ましい。石油入れの銅壷,火口金具,ホヤ受け,通気網,徳利ホヤ,竹ホヤ,瓢箪形の吊金具,それに稍大き過ぎると思はれる乳白色の硝子笠と,全体の透明感を,わずかばかりの真鍮の金色や鉄の黒色が支えている色彩感,大小,細太の材料の取り合はせ締り具合と愛すべき形態である。  石油ランプは,本来,土壁や石壁の家のものであろうが,日本の木造家屋にも異質のままに何が適合するものを感ずるのである。  昭和に入って,作手の灯も電化し照明度も一段とあがり,電灯中心の生活となり,上来述べた各種の灯も日常用としては過去のものとなったのであるが,人々は尚旧来のものを悉皆捨て去ることなく,神事仏事にその形を残し,生かし,過去を味わい,過去の人々の生活を偲ぼうとするゆかしさを失はないのである。 ******** 注)これまでの記事は〈タグ「続つくで百話」〉で 注)『つくで百話』の記事は〈タグ「つくで百話」〉で