家具調度品 『灯 1』(続 つくで百話)
予報が「西日本では大雪が…。」と伝えていて,今朝の積雪や凍結を心配しましたが,起きた時は大丈夫でした。
それが,しばらくすると細かな雪が降ってきました。この時期としては“いついものように”でしょうが,今年の“甘やかされた状況”には辛い天候です。
日中は晴れましたが,夕方になり湿った雪が降り出し,地面が濡れました。
明日の朝,道路凍結に気をつけたいと思います。
帰宅するとき,ちょうど高校生の下校時間でした。「あれっ?」と感じることがありました。
高校生や中学生は,今日のような寒い日でも「制服姿で…」「スカートで…」という印象があり,「若いって,凄いなあ。いいなあ。」と思っています。
今日も,そうした様子でした。
その中で,スカート姿が“黒く(暗く)”見える生徒が目立ちました。黒っぽいストッキング(?)を履いているようです。学校(制服)により差はありますが,多くの生徒が履いていました。
寒さへの対応ができる,今どきの高校生です。何かと禁止をするブラック校則が話題になりましたが,学校の状況は変わっているようです。
『続 つくで百話』(1972・昭和47年11月 発行)の「民具について」です。
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民具について 小林 峰田好次
家具調度品 灯
神社寺院の陰暗たる境内の石灯籠にともされた灯,庭木のひまに音もなく点る灯の風情など夜の周辺との調和の面白さもさることながら,そうした事への人の配慮が,人の血の通いとも思われて温かな風情を感ずるのである。
さて,そのような所へ点される灯には,やはり菜種などのねっとりとした古来常用された油を皿に入れ,灯心を浸し灯心押えで押え相成るべくは火打石で打出された火を以って点しあれかしと願うのである。
灯明皿は粗末な小皿で灯心受けの細い溝が作られこれに二三本の燈心を添え油の中へ長く沈ませ,灯心押えで押える,燈心に油が滲みるを待って点火するのである。
燈心押えは,一寸ばかりの直径の輪の中へ,十字,菊花などの型をあしらい中央に尖ったつまみを,やはり一寸程の高さに突立てた焼物である。
油壷
油壷も中々に愛すべき優美なものが多い。青銅壷などで水差型,紬首なつめ型,磁器の八角型,丸型等,一穂の灯にふさわしい品々である。
皿の灯は,家庭の日常は棚の上に置き,また一尺五寸はかりの台を用いて移動出来るようにされた。風除けに紙を結びつけた。
これはやがて,行燈に移行し趣きを変えて行くのである。
行燈は,大小様々,その構造も各種であるが,当地の一般は手製程度の素朴なものが多かった。最も簡単なものの例を挙げると,一尺四角高さ三寸ばかりの抽斗つきの箱を台とし,台の上面中央に燈明皿おきの四角の木枠を打ち,台の周り三分を余まして同様に木枠打って,これに高さ尺〜尺二寸程の枠を嵌める,この嵌枠をさや,と呼び,さやに紙を張る。その紙の照りを明りとしたもので風除けを兼ねよう工夫された。抽斗には油壷火打道具などが納られたである。
(つづく)
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