集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

「戦法の変化とお城(後半)」(続 つくで百話)

カレー1205。 今日も寒い一日でした。  午前中,晴れた空でしたが,吹く風の冷たさとその音が,寒さを強めていました。昼を過ぎると,空を“重い雲”が多いました。  冬が…。雪は…。  夜,土地改良区臨時総代会があります。先日の理事会で検討した「これまでの活動」「今後のこと」について報告と協議を行います。  地域の高齢化が進む中,施設の運用・維持管理について“しっかり考え”,今後の方策を見出し,“行動に移し”ていけるよう,関係の皆さんと取り組んでいきたいと思います。  よろしくお願いします。  『続 つくで百話』(1972・昭和47年11月 発行)の「作手のお城物語」からです。  昨日の続き(後半)です。 ********     作手のお城物語(設楽町 沢田久夫)           戦法の変化とお城(後半) (前半より) 本拠の城は一軍の本拠となる城で,本城,根城,大根城などといわれ,かの楠正成が河内一円の中心とした赤坂城の如きもので,作手ではさしずめ奥平氏亀山城,菅沼氏の菅沼城などがこれに該当します。  支城は本城以外に,領内の要地に設けられた城砦で,本城に対し支城,根城に対し枝城,端城と呼ぱれます。出城,子城,外城,取手,砦,塁,堡などと呼ばれるものもこれに属します。またこれらの支城はその用途によって境上防衛の城,連絡用の城,退守の城,攻撃用の城,陣営の城等に分れます。  境上防衛の城は,境目城,番手城などといわれ,奥平氏の場合では臼子城,小田城などはこれに当りましょう。  連絡の城は繋の城,伝の城などといわれ木和田古城,見代城の如く展望のきく山上に築かれた小城がこれに相当します。  退守の城は詰の城ともいい,古宮城に対する塞の神域,亀山城に対する文珠山城の如く,最後に立龍る城です。  攻撃用の城は向城,附城,対の城などといい,敵城を攻撃する場合,または相対峙する場合に,塁,濠,柵,塀などの簡単な施設を設けて,攻撃計画を進めたもので,全く臨時的なものです。かの長篠城の攻略の際,天正元年には徳川家康が中山,久間の二つの砦を,天正三年には反対に武田勝頼が鳶ヶ巣,姥ヶ懐の二塁を築いた如きがそれです。  陣営の城は陣城ともいい,戦時に楯を並べ鹿柴を植え,柵や桟敷を設けたもので,各地の一夜城などといわれるものは恐らくこれでしょう。  以上の分類は絶対的なものではなく,城郭はその時の状勢如何によって,かって本城であったものが支城の地位に顚落し,境目城が伝の城になることもあります。たとえば菅沼城は菅沼氏の本城でしたが,田峯城が出来ると支城となった如き,奥平氏の本城であった川尻城が亀山城の築城によって支城に顚落した如きがそれです。 家紋1205。 前記の城郭のうち本城や居館は永久的なもので滅多に変りませんが,その他のものは状勢の変化により流動的でした。はじめは戦時だけの簡単なものが,戦国時代には入り戦闘が永びくにつれて,いつしか半永久的なものになったのも多いでしょう。  城砦とはやや性質は異りますが,その補助機関と見るべきものに,烽火台,狼煙場,物見台があります。モノミに立った監視哨は,その認識し得た敵情を,関係のある城砦や友軍に速かに報告しなければなりません。これには昼間は煙りを上げ,夜間は火光による方法をとったので,両者を総称してノロシといい,狼煙の字を当てています。これは狼の糞を焼いた煙りは,いかな強風にも乱れることなく,真っ直ぐに立上ると信ぜられたからで,つとめてこれを使用したようです。軍学者はこれを飛脚かがりといい,その位置は展望のよくきく山の頂上で,当時はそこに番小屋を置き,発煙発火の燃料や食料を貯蔵して置きました。菅沼の亀石峠,獅子ヶ森山,本宮山,御嶽山などはさしずめこれでしょう。  ノロシ場とは別に,または共通に設けられたものに,物見場兼警報場があります。ここには音響によって報知するための鐘,太鼓,法螺貝,火薬等が備えてありました。そこで,その址を鐘撞場,デソデソ山,貝吹根などと呼びました。それらは単独のものもありましたが,大ていは相互に連絡するものから成っており,これと出城とを組み合せた監視伝達の網の目が,驚くほどの精緻さを以て作手を含めた設楽山地の全域をおおっていました。  尚このほかに注意すべきものに寺院があります。中世は宗教的信仰によって民衆が行動していた時代です。また築城技術の幼稚だった戦国時代以前では,景勝の地に大伽藍をもつ寺院は,時として城郭代りに使用されたことは元弘の変の笠置寺をみれば分ります。 ******** 注)これまでの記事は〈タグ「続つくで百話」〉で 注)『つくで百話』の記事は〈タグ「つくで百話」〉で 【関連】    ◇公益財団法人日本城郭協会