明日の運動会は? 「天狗にさらわれた話」(つくで百話)
台風の進路や前線の動きが気になりますが,今日は青空が広がり暖かい日になりました。
夕方になり,雨が降ってきました。当地の多くの小学校が明日の運動会を予定しています。明日の天気が気になっていることと思います。
天候が悪い場合は,進行を変更して実施するようです。
◇新城市立学校の最新の更新
明日,子供達の活躍する姿をご家族や地域の方に,しっかり見ていただけるといいですね。
今日は秋の彼岸入りです。彼岸の間に,お墓参りなどをして先祖に感謝を伝えることが多いと思います。
彼岸は,サンスクリット語の「波羅密多」から来たものといわれ,煩悩と迷いの世界である「此岸」にある者が,六波羅蜜の修行をすることで「彼岸」(悟りの世界)の境地へ到達することが出来るのだそうです。
六波羅蜜は6つの徳目「布施・持戒・精進・忍辱・禅定・智慧」を,人生において大切なこととし,彼岸は,それが実践できているかどうか見つめ直す期間だともいわれます。
彼岸に,“徳目”を意識して過ごしてみませんか。
『つくで百話』(1972・昭和47年 発行)の「怪奇物語」から紹介です。
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天狗にさらわれた話
昔,本宮山に近い或る村の金持ちの家に,綺麗な奥様がありました。ある夜,この奥様が隣りの家へ貰い湯に行って,家の前まで帰ってくると,鼻の高い大坊主が立っておりました。びっくりして,慄るえている奥様に「俺におばれよ」と坊主が命令しました。肩につかまって坊主におばれると眼をとぢよといいつけました。奥さんは,この大坊主が天狗であると感づくと観念の眼を閉じて,じっとしておりました。暫らくの間ヒュウヒュウという音がつづいた後,どこかに着きました。
天狗は,「ここでおりろ」と命じました。そして,ここは三瀬の明神様だ,お滝で水垢離をとれといって体を清めさせました。それがすむと再び肩へとまらせました。元のように眼をとじているとヒュウヒュウと音がして,今度は鳳来寺の奥の院の岩へ降り立ちました。ここで,何かわからないものを食べさせました。
暫らく休んだ後に,本宮山の奥の院へ行ったり,段戸山へ飛んだりしました。
奥様の家では,奥様が隣りから帰らないので大騒ぎとなりました。あちこち尋ねても全然手がかりもありません。翌る日は,村中の人が総出で,山の中や川沿いを探しましたが,どこにも姿がみつかりません。夕方まで探し回っても,手がかりもなく疲れきった一同は,奥様の家へもどって,どうしたものかと評定しておりますと,急におもての方で,「ドタン」という音がしましたので,何事かと思って外へでてみると,気ぬけしたような奥様がボンヤリとたっておりました。「どうしたのか」ときくと,「天狗が,家で皆が心配しているから帰してやる」といってつれてきたと答えました。奥様は無事にお帰りになりました。
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【「つくでの昔ばなし」掲載】
◇「天狗にさらわれたよめ様」
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