『線量計と奥の細道』(ドリアン助川・著)
天気予報通りに,雨の日でした。強くはないけれども,しっかり降った雨でした。
午後,雨が上がりました。つくで交流館にいると,作手小学校の運動場からマーリングの音が聞こえてきました。運動会に向けての練習です。
雨が上がれば,すぐに使える運動場です。
運動会が予定通りに開催できるといいね!
書架に並ぶ”著者”の名,“奥の細道”にひかれて『線量計と奥の細道』(幻戯書房・刊)を読みました。
題名にある“線量計”は,予想通りのものでした。
ただ,「なぜ,奥の細道なのか?」は,すぐには分かりませんでした。
「叫ぶ詩人の会」をしていた著者が,「受験用の参考書を書きたい」と考え,それを“奥の細道”とし原稿にまとめたそうです。
そのまま出版とせず,線量計を持って“旅”に出ることになるのは…。
著者が旅に出る1週間前,『希望の地図』に倣って東北を訪ねた(2012/08/06・07)ことが重なりました。
その旅で,
南三陸町から石巻市,松山町,仙台市へと移動していきました。 その移動の途中で,たくさんの“被災”に出会いましたが,聞いていない地名や施設がありました。 (略) それぞれの場所で「自分だったら…」を問われた2日間でした。 旧南三陸町防災対策庁舎で出会ったおじさんが,「ペットボトルの水は,いつも持っている」と自転車のかごを見せてくれました。 1年前には,東京で暮らす人も同じようにペットボトルを持つ人が多かったと思います。 最近は,どうなのでしょう。 自分もペットボトル(水筒)を持ってはいますが,もう,当時の意識(おじさんの言う話)とは違っています。といろいろな人に出合いました。 本書でも,自転車に乗って「奥の細道」のコースを辿りながら,いろいろな人と出会っています。 その体験,言葉,学び(?)に,たくさん学びました, 東京から自転車を担いで列車で現地に行き,走り終わって列車で戻り,またその続きを走って「奥の細道」の全行程を4回で辿ります, 芭蕉と曾良の旅を,東日本大震災の翌年に辿った“記録”です。 読み終えて,「奥の細道の旅」「希望の地図の旅」を,自分の足で辿りたい気持ちになりました。 芭蕉の句とともに…。
蛤のふたみにわかれ行く秋ぞ今,あらためて震災・原発を考える機会を得る本です。 いかがですか。 読書メモ
○年間1ミリシーベルトあら,365で割り,さらに24で割ると,約0.11マイクロシーベルト毎時という計算になる。 ○脱原発のためには自然由来の再生可能エネルギーによる発電が必須だ。その筆頭が太陽光発電だとされている。しかし,そのために(略) ○除染をし,線量の数値が下がったことで,安全になったと国や行政は宣言する。しかし山下さんによてば,住民にとって(略) ○信夫山は人が訪れる場所だからこそ作業が行っている。そうでない場所は(略)
目次 忘れてしまうこと──まえがきにかえて 一 深川〜白河 二 かげ沼〜平泉 三 尿前の関〜村上 四 新潟〜大垣 その後──あとがきにかえて【関連】 ◇ドリアン助川 道化師の歌 ◇チームふくしまプライド。 ◇福島コトひらく @cotohiraku(Facebook)