『老後の資金がありません』(垣谷美雨・著)
台風13号,15号が近づいていますが,今日は朝から天気の良い日でした。
台風15号(ファクサイ・FAXAI)は,南鳥島近海から“秋の台風”の進路をとって日本列島に向かっています。西北西から北よりに進路を変えていくとの予想ですが,その動きによって東海地方から関東への上陸する恐れがあります。
今後の台風情報に注意していたいと思います。
先月,電車で読もうと書店で手にした『老後の資金がありません』(中公文庫)です。
金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループが報告書に「老後資金は2000万円必要」の表現があり,大きな話題になりました。
それとは関係のなく,主人公 後藤篤子に降りかかる(起こる)切なく厳しい現実がコミカルに描かれます。 ◇hicbc.com:CBC気象情報
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五十歳を境に,それまで気づかなかったことが次々と明らかになっていく。 五十歳というのは,何かの節目なんだろうか。 それにしても…夫の両親への仕送りが月々九万円というのも厳しいものがある。娘の結婚が近づき,その費用が“襲って”きます。
だけど…何かが違う。 同じ大金を使うなら,性能のよい家電を買い揃えるとか,いつか家を買うときの頭金の一部にする方が有効な使い方だと思う。と思う篤子ですが,それとは違う話が進んでいきます。 続いて,舅が亡くなり葬儀の費用を負担します。気づけば1200万円あった蓄えは300万円を切るまでに減っています。 さらに,篤子がリストラに会い,会社が倒産し夫が失業してしまいます。失業保険だけがたよりです。 さらにさらに,義母が同居することに…。 家族の物語,夫の両親と姉夫婦の話,物語,話,親族の話,パン屋の経営に行き詰まった友人の話,年金を騙し取るための老人レンタルビジネス…。 “老齢社会”の厳しい現実が,次々と迫ってきます。
ああ,夫って,やっぱりめんどくさい。 いや,待てよ。荷物持ちとして便利に使えるかも。 ──大黒柱は大切にしないとダメよ。 そのとき,ふと姑の言葉が頭に浮かんだ。 あれ? 私ったら,さやかのこと,とやかく言えた義理じゃないわ。 篤子はおかしくなって,またひとりフフッと笑った。さて,篤子の“今”は…。 老齢社会を笑って楽しめる物語です。 【関連】 ◇金融審議会 「市場ワーキング・グループ」報告書 の公表について(金融庁) 【台風情報】 ◇日本気象協会 tenki.jp 台風情報