集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『ことばのトリセツ』(黒川伊保子・著)

花0829。 雨の続いている地域,溢れた水が引かない地域などあるようですが,当地は晴れて暑い日になりました。  洗濯物の目立つ一日でした。  タイトルを見て「“トリセツ”とは“2匹目の泥鰌”を狙ったような」と思い,帯の
「はい」と「ええ」 どう使い分ける? 大切なのは“意味”より“語感”!
との言葉が気になって,『ことばのトリセツ』(インターナショナル新書・集英社を手にしました。  読み始めて,ベストセラーとなった『妻のトリセツ』講談社+α新書の著者が著したものだと知り,“2匹目の泥鰌”もしかたないかと納得しました。  『妻のトリセツ』が話題になっていることは知っていましたが,黒川氏が人工知能の研究者であったことは,本書で初めて知りました。  研究から生まれた(?)「ことば」へのこだわりが,とても面白く,興味深いものでした。  次の問いがありました。
 ミルマルは,いずれもテーブルを表す単語で,大きさによって使い分けられています。  あなたは,どちらが大きなテーブルで,どちらが小さなテーブルだと思いますか。
 あなたは,どう使い分けますか。  ここに,音韻が脳に与えるイメージ(ブーバキキ効果)があるそうです。  
 共鳴連動力は,コミュニケーションと学習能力の基盤を作る,人間性の源である。その能力が,ことばに大きく関わっている。
 これからの社会において,AIの活用を抜きにしていくことは難しいでしょう。  しかし,それはAIに負けるといったことではなく,求められる“”が変わってくるのだと思います。  それを「ことば」から切り込んでいます。
 私たちのデータベースに音韻列を入力すれば,その物理効果の総体がすぐに出てくる。 (略)  とはいえ,わが社の語感データベースよりも優秀なセンサーがある。それはあなた自身の脳である。「発音体感を味わう」つもりで発音してみてほしい,愛しいものに付す名前を。
 発した言葉,聞こえた言葉… その語感を味わいましょう。  そして,口にする言葉,表現する言葉(文字)を意識する“感性”に気づかせてくれる一冊です。
   目次 はじめに 〜ヒトと人工知能が対話する時代が始まった〜 第一章 語感の正体 第二章 ことばのトリセツ 第三章 感性ネーミングの法則  一 感性ネーミングの第一法則  二 感性ネーミングの第二法則  三 感性ネーミングの第三法則 第四章 脳にとって「ことば」とは何か おわりに 〜世界は,語感で二分される 参考文献
【関連】   ◇黒川伊保子オフィシャルサイト