集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

「鳴沢滝」(つくで百話)

 台風10号クローサKROSA)が四国,中国地方を通過し,日本海を北上しています。  当地は暴風圏に入りませんでしたが,長く強い風・暴風が吹き続けました。予報では「朝から雨が降り…」でしたが,日中は小雨で過ぎました。  夜間に豪雨の時がありましたが,被害の出ることはなかったようです。
雨量0816。
 今季,この後に台風は…。  『つくで百話』(1972・昭和47年 発行)の「川に因んだ話」から紹介です。 ********     鳴沢滝  段戸山を水源とする当貝津川(沢戸川ともいう)が守義の小滝部落まで流れてくると,水量もかなりふえて,花崗岩の浸蝕された渓谷をどうどうと音をたてて奔流しています。この急流が十数メートルの断崖を一挙に落下しているのが鳴沢の滝であります。不気味などうどうどうどうという響は周囲の山峡に谺しつづけていたところから鳴狭滝といわれておりましたが,いつのまにか鳴沢の滝と呼ばれることになりました。しかし,国学者の原田紋右衛翁はなるさ滝というべきであると主張しておられました。 滝0816。 鳴沢の滝に落下する滝水は,途中の巌頭にぶつかって白飛沫をあげ,瓢型になっている滝壷に,たたきこまれています。滝壷は青黒く淀んでいて,深さの知られない淵となっています。昔は,川上から木材を流して運搬したものでしたが,川狩りの日傭が,滝の上部に身構えていて,木材を落しますと,滝壷に消えた木材は五分間位も経ってから,ポッカリ水面に浮んでくる程の深さであったといっておりました。  滝の両側には,杉,檜,樫などの常緑樹と楓,桜などの古木が鬱蒼と繁茂しておりました。これにまつわる山藤の大きな蔓がひろくひろがっておりまして,花の頃の眺めは素晴しいものでありました。この森厳な樹林の間に不動明王がおまつりしてあり春夏秋冬の観光,行楽に絶好の勝景でございます。 ******** 注)これまでの記事は〈タグ「つくで百話」〉で