集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

地区作業。「大和田の川」(つくで百話)

サギソウ0804。 今日も天気の良いよい一日でした。暑いけれど“厳しさ”は緩んできているように感じました。  今日,地区の美化活動がありました。例年の重点箇所を中心に草刈りをしました。  休憩と水分補給を入れながら,ケガに気を付けて作業を進めました。  地区内がすっきりしました。お疲れさまでした。  作業の後,BBQでの懇親会でした。  普段の生活のなかでは,なかなかゆっくり話すことも少なく,いろいろな方からお話が伺えました。  美味しい食べ物と楽しい話題に,時間の過ぎるのを忘れました。  ありがとうございました。  『つくで百話』(1972・昭和47年 発行)の「川に因んだ話」から紹介です。 ********     大和田の川  大和田村は奥三河の玄関口にあたる山の中にありましたから,空をおおうような大木が,山や谷をうめつくしており,谷間には青々と澄みきった川が,しぶきをあげて流れておりました。この大川に沿って一本ひらけていた山道が唯一の交通機関でありましたが,それも幅一メートルかせいぜい一メートル半くらいの細い坂道で,所々に丸太橋がかかっていました。この道では,土地の人々が背負子をしょって荷を運んだり,馬の背に荷をくくりつけて運搬するのが精一杯でした。  大川が岩盤にぶつかって急に曲がるところや,岩盤から落下する所は,深い淵となっておりました。淵の辺には,よく大木が茂っていましたので,陽の光りも届かず青黒くよどんでいて,どこまで深いのか底がみえない,何か薄気味の悪いものでした。この淵のそばで,中をのぞいていると,時々物凄く大きな──三〇センチ以上のあめの魚が,パッととびだしてきて,水面に落ちた虫や蝶をのんでいきました。  大和田の部落をはずれて少しゆくと巴川が北向きに流れていますが,この流域で,川が北流しているのは,ここだけです。そして,この流れが岩石にぶつかって東へ曲る所が水神淵といわれています。夜中に,その辺の道を歩るいていると「ゴボッゴボッ」という無気味な──どこか神秘的な音がきこえてきます。村人らは,ここに水神様がましますものと考えて,水神の石碑をたてて,おまつりしているのが水神淵であります。 川0804。 この水神淵から始まって,樫山淵,じげい(自害)淵とつづき,そのちょっと下流に流れいる空沢川を三〇〇メートルくらいのぼった所に櫃淵があります。それから下流の巴川に白石淵,塩瀬部落のはずれにも水神淵があります。この水神淵の,すぐ下で,島田川が合流しますが,島田川を一キロメートルばかりのぼった所に黒馬淵があります。黒馬淵の主は黒い馬で,時たまそっと淵から這いだして,近所の草原で,草や木の葉を食べていたことがあったそうです。これらの淵には、それぞれにいろいろの物語りが伝っておりますし,その淵には主──河童が住んでいたそうです。その主についての伝説を二つ三つひろいあげてみたいと思います。 ******** 注)これまでの記事は〈タグ「つくで百話」〉で