「むかしのくらしのようす」《生活の移り変わり 24》
天気がよく日差しがありましたが,気温は上がらず,日中も外気温計は3度でした。寒い一日でした。
“最強寒波の襲来”で,昨日マイナス31.8度を記録した「日本一寒い町」がキャッチフレーズの北海道陸別町は,マスコミに大きく取り上げられていました。
濡れたTシャツやタオルを形のままに,ラーメンを食品サンプルのように凍らせて見せていました。お湯をまいたり,シャボン玉を飛ばせたりもしていました。
「う〜ん。何か違うような…。」
文集「こうやまき」(1970年・刊)から,「生活の移り変わり」の一話です。
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『むかしのくらしのようす』 (文・協和小3年 女子)
私は,今から二十何年も前,せんそうに負けて,何もない時の お話を聞きました。
私のお父さんや,お母さんが小さかった時です。むかしは,学校へ 行くのに,ふくも かばんもなく ふろしきづつみと おじいさんのきもので,作った ふくをきて行きました。はきものは,わらぞうりです。
雨の日には,かぶとござをきて,行ったそうです。おこめは,家で ふみうすで つきました。ノートもなく えんびつもありませんでした。せきばんとせきしつを使って べんきょうしたそうです。べんとうは,つけものとうめぼしでした。火曜日は,いつもおいもを食べたそうです。それがごはんの かわりです。ごはんの中へ ふきやふしぐろという草を入れて 食べました。さとうも なかったそうです。うちじゅうおとなも子どもも仕事を しました。お父さんは,よく 学校を 休んで 仕事をやったそうです。田や畑は,うしを使ってやりました。むかしは,ごはんを 四かい食べました。
新城へ行くのにも歩いて行きました。どんなに こんきかっただろうと 思います。私は,むかしに 生まれなくて よかったと 思います。こんな生活は,私たちには,できません。私は,今の生活の方がよっぱど いいと思います。
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「今の生活の方がよっぱど いい」と書いている1970年の小学生が,現代を見たら,どんな感想をもつでしょう。
そして,この子も還暦が近づいています。今の子供達の生活を,どのようにご覧になっているでしょう。
おじいさん,おばあさん,小・中学生に「子供のころの暮らし」「子供のときに聞いた昔の暮らし」など語っていくことが,将来のために大切だと思いますが,いかがでしょう。
子供が聞きたいかどうかではなく,“聞かせる”,“記憶させる”ことが,大人の役割だと考えます。いかがでしょう。
【追記】
文集「こうやまき」について,昨年4月28日の記事で紹介し,その後,掲載されている子供達の作文を記事にしています。
五十年前の子供が綴った“作手村風土記”です。
「もう聞くことのできない昔の話」は,今を見つめ,将来を考える,貴重な内容だと思います。
他の作文は,タグ『文集「こうやまき」』をクリックして探してください。
「その1」に,文集の「表紙絵の紹介」と「はじめのことば」を紹介しています。
◇歓送迎会。文集「こうやまき」 その1。(集団「Emication」 2018/04/28)