冬至。「“一陽来復”で陽気に向かう」
朝から雨が降っていました。この時期にしては,暖かい一日でした。
今日は,二十四節気の一つ「冬至」です。一年で昼が一番短く,夜が一番長い日です。
「冬至に柚子湯に入り,カボチャ(南瓜)を食べ…。」と言われます。
みなさんのお宅では,いかがでしたか。
冬至に柚子湯に入ると無病息災だといわれています。
「冬至」と「湯治」の語呂合わせであり,「柚子」だけに「融通(ゆうずう)が利く(効く)ように」という願いを込めているとも言われます。
柚子の精油成分には,蜜柑の皮と同じく血行を促進させる働きがあり,風呂に入れると身体を芯から温めてくれます。新陳代謝も活発になって,疲れや痛みがとれ冷え性にも効果があります。
カボチャは,ビタミンAが豊富で,風邪,肺炎などの予防,改善に効くとされています。
※ 「冬至の日に“ん”のつく食べ物を食べる」と言われ,カボチャは「なんきん」と呼ばれ,「ん」のつく食べ物であり,カボチャを食べると“中風”にならず,“長生き”するという伝承があります。
また,冬至に「一陽来復」という言葉を聞いたことがありませんか。
この言葉をもじった「一陽来福」があり,それは方違えで“福”を呼び込もうという願いを伝えているようです。冬至のお札に,この言葉か書かれていることがあります。
話を戻して,「一陽来復」は,五経の一つ「易経」に出てくる言葉です。
復,亨。出入无疾,朋來无咎。反復其道,七日來復。利有攸往。 「復は亨る。出入疾(やまい)なく,朋(とも)来たりぬに咎(とが)なし。反復その道,七日にして来復。往くところ有るに利(よろ)し。」陰暦10月に陰がきわまり,冬至に陽が初めて生じます。そして,冬至を境に日が長くなることから,冬至に太陽の力が復活してくるのです。 そこから,逆境や不運などの良くないことが続いた後,ようやく幸運が向いてくることをさして使われることもあるります。 現在の社会の状況や動きは,陰が極まった感じです。 ここから,“一陽来復”よろしく,陽の力がわいてくることを信じています。 自然と寄り添って生きてきた日本人の知恵を感じながら,冬至の「食」と「住」を楽しみましょう。