集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

「昔のだっこく」《生活の移り変わり 3》 詩「世界は一冊の本」

花1126。 晴れでしたが,雲が薄く覆って,日差しに強さはありませんでした。

 出かける予定の日でしたが,家で,文書作りと文書整理,読書をしてゆったり過ごしました。

 文集「こうやまき」から,「生活の移り変わり」の一話です。

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   『昔のだっこく』 (文・開成小4年 男子)

 おばあさんがわかい頃の話です。

 田んぼにいねがみのると,かまでいねかりをする。もちろんいねかり機はありません。

 いねかりが終わると,一わずつ,こばしというかねのくしのようなものでこいて,天気のよい日に,庭いっぱいもみをほしたそうです。

 そして,大きなうすで,二人でくるくる手でまわすと,お米がむけて,もみがらといっしょになって出てきます。それをとうみで風を送り,米ともみがらとをわけました。うすをひくのには,なかなか時間がかかり,力もいりました。だっこく一つ考えても,今と昔ではずい分ちがいたいへんだったことがわかります。ついでにつけくわえると,できた米は,川から水をひいた水車で,ゴトンゴトンと何時間もかかってついたということです。

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 今の子供達は,この文章から「脱穀のようす」が思い浮かぶでしょうか。

 みなさんは,いかがですか。

 今日読んだ資料のなかに,長田弘氏の詩『世界は一冊の本』がメモしてありました。

 みなさん,“読書の秋”に,どんな本を読みましたか。

   世界は一冊の本

         長田 弘

本を読もう。

もっと本を読もう。

もっともっと本を読もう。

書かれた文字だけが本ではない。

日の光,星の瞬き,鳥の声、

川の音だって,本なのだ。

ブナの林の静けさも

ハナミズキの白い花々も、

おおきな孤独なケヤキの木も,本だ。

本でないものはない。

世界というのは開かれた本で、

その本は見えない言葉で書かれている。

ウルムチ,メッシナ,トンプクトゥ,

地図のうえの一点でしかない

遙かな国々の遙かな街々も,本だ。

そこに住む人びとの本が,街だ。

自由な雑踏が,本だ。

夜の窓の明かりの一つ一つが,本だ。

シカゴの先物市場の数字も,本だ。

ネフド砂漠の砂あらしも,本だ。

マヤの雨の神の閉じた二つの眼も,本だ。

人生という本を,人は胸に抱いている。

一個の人間は一冊の本なのだ。

記憶をなくした老人の表情も,本だ。

草原,雲,そして風。

黙って死んでゆくガゼルもヌーも,本だ。

権威をもたない尊厳が,すべてだ。

2000億光年のなかの小さな星。

どんなことでもない。生きるとは,

考えることができると言うことだ。

本を読もう。

もっと本を読もう。

もっともっと本を読もう。

 さあ,本を読もう。