「節分」《村の行事 8》
「天気予報が外れる」ことを期待しましたが,そうはいきませんでした。
都合の悪い天候でしたが,予定した“こと”ができました。
幸せな時間を過ごせました。
文集「こうやまき」から,「村の行事」の一話です。
昨日に続く「節分」の話です。
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『節分』 (文・巴小6年 男子)
うちでは節分の日にまめまきをします。
だけど
「おには外,ふくはうち」
と言って豆をなげたり,そして,それをひろってたべるのが,ぼくにはさっぱりいみがわからない。
ぼくは漢字から見て,節というのはくぎり,分というのはわかれるだから,あるものからあるものヘうつるという行事じゃないのかなと思いました。それでもっとこの行事の意味をてっていてきにしらべることにした。さっそくおじいちゃんのとこに行って
「節分ってどういうことだやあ」
と聞いてみると,やはりぼくの思ったとうり
「いいか頭の中にせつぶんという宇を思いうかべてみる。まずはじめ節という字は,きせつのわかれ,分というのはわかれる,だからきせつのわかれだ,つまり冬から春になると言うことだ。」
と言ってくれました。だけどなぜ夏から秋になる時はそういうことをやらないのかなと思いました。
こんどは豆をなぜまくか聞いてみると
「まめだということはこうふくだ」
と言ってくれましたが,あまり意味がわからないので,こんどは
「なぜ,おには外,ふくはうちなんていうだやあ,また豆をどうしてくうだん」
と聞いてみました。それは,おにというのは,病気やいろいろのさいがいをいうのだそうです。
ぼくが前にテレビを見ていたら,自分の年のかずだけ豆をたべるとなんていうことがあったので,それも聞いてみました。するとそれはこうふくをからだに入れて,よいことがあるように,長生きをするようにたべるのだそうです。それからこんなことも話してくれました。今はやっていないかもしれないが,にぼしの頭のからからにしたのをひもでつるしたそうです。それとぐみの木をたいたりしました。そのにおいときたら,はながひんまがるほどだったのだそうです。これも,このにおいでおにを中に入れないようにするのだと思います。
ぼくはこんなことを聞いたので,節分の日に今話してくれたようなことを,これからやってみたいと思いました。
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「なんでだろう?」「どうして?」と知りたいことが出て,いろいろと聞いていく,考えていくようすがうかがえます。
素晴らしい“学びの姿”です。
「煮干しの頭」「グミの木を焚く」というのは初めて聞きました。
今は「何で?」を,すぐにネット検索を子供も大人もしてしまいます。しかし,このお爺ちゃんが語ってくれたようなことは出てこないと思います。
「語れる人」がいなくなっていくのは,子供達にとってとても不幸なことだと思います。「語り」と繋いでいくことを意図的にすることが,子供(将来の大人)にとって大切なことでしょう。
さて…。
【参考;台風24号の進路】
hicbc.com:CBC気象情報
◇Windy.com