「おじぞう様」《村の行事 5》
天気のよい日になり,「暑い」と感じる一日でした。
しかし,温度計を見ると26度でした。,夏に感じた「暑い」とは違っていました。
空も高く,雲も違っています。
秋の日を楽しみました。
文集「こうやまき」から,「村の行事」の一話です。
昨日に続いて「お地蔵さま」の話です。
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『おしぞう様』 (文・菅守小6年 女子)
わたしの家のうら山の,とうげに少し広くなっている所に,石で作ったおじぞう様がある。おじぞう様は,赤い屋根に,まわりをみどり色にぬった高さ1メートル50センチぐらいの大きな家の中にはいっている。
なぜ,たてられたかをおじいさんに聞くと,
「むかし,子どもが運が悪くて死んだり,病気になったりしたので,うちとみさ子さん,しんや,ほんやの四けんで相談してたてた。」
ということだった。
おじいさんの小さいころ,おまつりの日には,だんごやおかしをあげておいて,おがんだ後おじぞう様の前でそろってぼんおどりをおどった。でも,今ではぼんおどりをやらないので,いつごろから,どうして止めたかを聞くと,今度の戦争のときからで,戦争に負けそうで,そんなことをしておられなかったからだ,という。
「戦争がすんでからは,世が変わってそのままになってしまった。」
ということだった。
今では,一年に一回,うらぼんの日がおまつりで,その日は,うちとほんやでそうじをして,ふうせんやつるを作って,きれいにかざりつける。今では,来る人も少なく,おがんでからすぐ帰ってしまうので,おまつりといっても,あまりにぎやかではない。わたしたち子どもは,この日がくるのを待ちかねて,花火をやったり,きもだめしをやったりして,おじいさんとうがおがんでいる間,あそんでいます。
ことしはどうしてか,おじぞう様をまいってから,うちへ人をよんて,ぼんおどりをした。おじいさんは,
「むかしやったことをわすれないように,ちったあやったほうがいいじゃないか。」
と思ってやるようにした,ということだった。世の中がどんどん変わってしまい,むかしのことをやらなくなっていくことが,さみしいな,と時々思うそうだ。わたしたちは,きもだめしをやったり,花火をやったりしてあそべるから,ぼんおどりをやらなくなったことが,それほどさみしいとは思わない。今のままでいいと思う。
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昨日の話は「村の人」がお参りすると書いていました。
このお地蔵さまは「四軒で経てた」といい,そうじなども4軒でしているようです。
お地蔵さまは,慈悲の心をもった菩薩が,それぞれの状況に合わせて姿を変え,庶民を包み込んできたものだと言われます。
子安地蔵,身代わり地蔵,○○地蔵…
みなさんの家の近くにお地蔵さまがありますか。
お地蔵さまは,赤い帽子やよだれかけをしていませんか。
どのような方々が世話をし,お参りをしていますか。