集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

「おじぞう様」《村の行事 5》

稲穂0919。 天気のよい日になり,「暑い」と感じる一日でした。  しかし,温度計を見ると26度でした。,夏に感じた「暑い」とは違っていました。  空も高く,雲も違っています。  秋の日を楽しみました。  文集「こうやまき」から,「村の行事」の一話です。  昨日に続いて「お地蔵さま」の話です。 ********    『おしぞう様』 (文・菅守小6年 女子)  わたしの家のうら山の,とうげに少し広くなっている所に,石で作ったおじぞう様がある。おじぞう様は,赤い屋根に,まわりをみどり色にぬった高さ1メートル50センチぐらいの大きな家の中にはいっている。  なぜ,たてられたかをおじいさんに聞くと, 「むかし,子どもが運が悪くて死んだり,病気になったりしたので,うちとみさ子さん,しんや,ほんやの四けんで相談してたてた。」 ということだった。  おじいさんの小さいころ,おまつりの日には,だんごやおかしをあげておいて,おがんだ後おじぞう様の前でそろってぼんおどりをおどった。でも,今ではぼんおどりをやらないので,いつごろから,どうして止めたかを聞くと,今度の戦争のときからで,戦争に負けそうで,そんなことをしておられなかったからだ,という。 「戦争がすんでからは,世が変わってそのままになってしまった。」 ということだった。  今では,一年に一回,うらぼんの日がおまつりで,その日は,うちとほんやでそうじをして,ふうせんやつるを作って,きれいにかざりつける。今では,来る人も少なく,おがんでからすぐ帰ってしまうので,おまつりといっても,あまりにぎやかではない。わたしたち子どもは,この日がくるのを待ちかねて,花火をやったり,きもだめしをやったりして,おじいさんとうがおがんでいる間,あそんでいます。  ことしはどうしてか,おじぞう様をまいってから,うちへ人をよんて,ぼんおどりをした。おじいさんは, 「むかしやったことをわすれないように,ちったあやったほうがいいじゃないか。」 と思ってやるようにした,ということだった。世の中がどんどん変わってしまい,むかしのことをやらなくなっていくことが,さみしいな,と時々思うそうだ。わたしたちは,きもだめしをやったり,花火をやったりしてあそべるから,ぼんおどりをやらなくなったことが,それほどさみしいとは思わない。今のままでいいと思う。 ********  昨日の話は「村の人」がお参りすると書いていました。  このお地蔵さまは「四軒で経てた」といい,そうじなども4軒でしているようです。  お地蔵さまは,慈悲の心をもった菩薩が,それぞれの状況に合わせて姿を変え,庶民を包み込んできたものだと言われます。  子安地蔵,身代わり地蔵,○○地蔵…  みなさんの家の近くにお地蔵さまがありますか。  お地蔵さまは,赤い帽子やよだれかけをしていませんか。  どのような方々が世話をし,お参りをしていますか。