彼岸の入り。「テストと授業」《学びの地図》
思っていたより早くから雨が降り出しました。しかも強めに…。日中の気温は10度台…。
運動会の練習をしていた小学生が,残念そうに空と運動場を眺めていました。
稲のようすを見回っている方が,残念そうに稲穂のようすを確かめていました。
洗濯を終えた方が,残念そうに部屋干しをしていました。
明日の天候は。そして,それを残念がるのは…。
今日は秋の彼岸入りです。彼岸の間に,お墓参りなどをして先祖に感謝を伝えることが多いと思います。
彼岸は,サンスクリット語の「波羅密多」から来たものといわれ,煩悩と迷いの世界である「此岸」にある者が,六波羅蜜の修行をすることで「彼岸」(悟りの世界)の境地へ到達することが出来るのだそうです。
六波羅蜜は6つの徳目「布施・持戒・精進・忍辱・禅定・智慧」を,人生において大切なこととし,彼岸は,それが実践できているかどうか見つめ直す期間だともいわれます。
彼岸に,“徳目”を意識して過ごしてみませんか。
夏休みを終え,確認テスト・実力テストを行った先生,授業,学校があったと思います。“出来”はいかがでしたか。
社会でPDCAサイクルがいわれ,学習でも取り入れていると思います。
PDCAサイクルでは,「テストを返す時・場」を,どのように位置づけているでしょう。以前,こんなことを考えました。
授業を見せていただいたとき,ちょうど実力テストを返す時間でした。先生は,20分ほどかけて一人ずつ,ていねいに声をかけながら返していました。 生徒にとって意味のある,気持ちが安らぐテスト返しだと思いました。 授業を見ながら,「テストを返す」ことでいろいろな学習場面があることを考えてみました。 名前を呼ばれたら「はい」と返事をする 集会などで名前を呼ばれたとき,返事の声が小さい生徒がいます。返事をはっきりするような指導の機会にもできます。 名前を呼んで解答用紙を渡すと思います。ですから,そのときの返事を指導します。このときは,どんどん名前を呼ぶとよいと思います。今回の方法だと,1対1の指導になりがちです。どんどん呼ぶことで,他の人の返事を聞いたり,その指導に触れることで,何回も“指導される”ことになります。 また,生徒は,「平均点」や「最高点」をとても気にします。しかし,平均点には,生徒の成長にとっては大きな価値はないと考えます。気分的な安心と落ち込みの機会です。すると,“平均点は板書するのか”また,何を伝えればよいか。 目標点,達成点のようなものが設定されたら,「テスト返し」も変わりませんか。どんな“ねらい”をもってテストを行い,それを生徒に返すのか。 先生方は考えています。 お子さんの得点だけに気を取られていませんか。 【追記】 「授業」について,先生にお話ししたこと。
○授業 … 1時間の授業の流れが,力強く連動しているべきもの ○子供をとらえる ・この子は,今,何ができるのか ・この子は,今,何ができないのか ・この子は,今,何ができつつあるのか ○授業は「読み切り連載」でなければいけない ○「ものを考える」「話し合う」とは,どういうことなのか …子供に教え,示し,実感させなければいけない 授業は,1時間が勝負だと思います。しかし,研究授業のような1時間だけの勝負は,教師の成長には意味はありますが,子供の成長に価値があるかどうかが疑問の残るものが目につきます。 それは,その1時間が,前の1時間を感じさせてくれないからです。あるいは,授業の終わりに「次の授業を見てみたい」という気持ちがわいてこないからです。きっと子供も同じでしょう。 それを打破するには,「連動している」授業を組み立てようと試み続けていくことです。次の授業をそのスタートにしてみませんか。 「何かができつつある子供」が「できる子供」になったとき,その子供は大きな成長を見せてくれると考えています。そのために,「何かができつつある子供」を見失わない眼が求められます。 子供に“委ねること”と“教えること”は,明確に違いがあります。何を委ね,教えるのか,この見通しをもった授業で,子供たちが活躍するのです。