「かんのん様」《村の行事 3》
不安定な天候が続いて,“晴れた日曜日”が久しぶりな気がします。
3週前には「青空の綺麗な一日でした。」という天候で,夏の暑さ・酷暑を話題にしていたのに,それは「もっと前」のように感じます。
雨が続いて,「濡れた稲が乾かない。」「水田がぬかるんでいる。」と,稲刈りが進まないようです。
刈れたとしても水分量が多く,乾燥に手間(時間)がかかります。
天候が回復しないと,水田で芽が出てしまうかもしれません。
お天道様,豊かな秋の収穫をお願いします。
文集「こうやまき」から,「村の行事」の一話です。
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『かんのん様』 (文・菅守小6年 女子)
儀光のかんのん様は,わたしの家の横から,細い道をのぼって行くと,道が三つに分かれており,右側の道をさらにのぼって行くと,太い木にかこまれた小さな庭みたいな所にまつってある。そこへ入ると,のぼってくる所よりも,きれいに草やおち葉がはいてある。
かんのん様について,祖母に聞くと,むかし,このかんのん様に善法様というおぼうさんが,ねとまりしていた。ある日,火の不しまつから火事になり焼けたので,善法様がたてなおしてくれたという。かんのん様のそばに善法様をまつった石とうがある。
おまいりについては,初午のときには,あまざけをわかして飲んだという。また,おひがんのお中日には,みんないろいろなごちそうを持って出て,一日中おがんでは食べ,おがんでは食べというようなことをしたそうだ。
現在ては,初午の日には,家であまざけをわかしたり,だんごを作る。かんのん様には,こうぼう様もまつってあるので,そのおまつりには,おまいりに行くとおかしやおだんごをくれる。わたしたちは,学校から帰ってから行くが,そんなにおがまなくても,おとなの人たちは,来た人みんなに分けてくれる。
祖母は,むかしほどさかんではなくなった,といっている。わたしは,話を聞いて,なるほど,だいぶちがってきたな,と思った。でも,祖母は,なんだかさびしく思っているようにもみえた。これからも,時代がかわっていくと,やる方法もまだまだ変わっていくかもしれないな,と祖母の話を聞きながら思った。
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