「百回参度」《村の行事 1》
今日も不安定な天候で,強い雨が降りました。
“強い雨”が降るのは短時間ですが,しばらく曇った天候で,また降り出すという繰り返しでした。
“秋の長雨”が早まったのだと思いますが,お会いした方は「梅雨のようで…。」と表現していました。また,「稲刈りができずに…。」と実った稲穂を前に戸惑っている方が多くいます。
「天高く馬肥ゆる秋」の好時節はいつから。
文集「こうやまき」から,「村の行事」の一話です。
この「村の行事」の章は,同じ行事を書いた文章が載っています。最初の2話「百回参度」と「百万べえ」は,菅沼地区の百万遍について,中学3年と小学6年が述べています。
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『百回参度』 (文・作手中3年 女子)
村には多くの伝説がありますが,私達の部落には他の部落とはちょっとちがった伝説があります。
私達の村では,毎年八月一日に「百回参度」と言うのをやっています。私達は,百回参度のことを「百万べ」と呼んていますが「門戸神々」とも呼ばれています。「百万べ」は,何百年も前からやっていたそうてす。
そして,ある年一回休んだのがもとで,その年とても悪性の病気がはやり,何人もの人が病気にかかって死亡したそうです。人々は,それが「百回参度」をやめたせいだと考え,病気が治るようにと「お願」を睹け,また毎年信心するようになったそうてす。この百回参度と言うのは,村の人々が集まり一軒一軒の家に行き,そこて大きな「じゅず」を何回も回して拝んでいきます。その家々では接待をしてお礼をします。百回参度のことを聞くと人々はいろいろなことを言いますが,それがほんとうなのかは,わかっていません。そして,その病気は私達の村「菅沼」だけにはやったそうです。
私には,昔,私達の村だけにこんな病気がはやったのだとは思えません。それに,これは今から何百年も前のことだけに疑問に思えます。この近代的な時代に,またこんなことをしている。もし,これが先祖代々伝わってきてほんとうにあったことなら,これをやめたとき,どんなことが起こるだろうか。もしまた病気が起こったとしたらどんなに恐しいことでしよう。
そして,これからもずっと「百回参度」をしていったとき,どんなに思い出深いことでしよう。
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みなさんの地域では,「病や災難を避けるために念仏をあげる」といった行事が続いていませんか。
【参考】
◇検索結果「百万遍」(つくでスマイル)
◇清崎の百万遍念仏(キラッと奥三河観光ナビ)
【備忘録メモ】
◇社説「学校閉庁日 指導の質高める契機にしたい」(読売新聞 YOMIURI ONLINE)