集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

「伝説」《作手村のむかし 13》

花0613。 天気の良い一日でした。

 世界中が,昨日の“歴史的な一日”を伝え,対応している中で,日本のマスコミ(テレビ・新聞)は,上手に伝えていたでしょうか。

 ニュースや報道番組が,最近の他の話題と“変わっていない”ように感じましたが,それで大丈夫でしょうか。

 “正解”はないのだと思いますが,“不安”を思うことのあるニュースばかりでした。(多くは見ていませんが…)

  文集「こうやまき」(1970年・刊)から紹介を続けています。

 「作手地区の記録」を残していくものの一つです。お付き合いください。今日も「作手村のむかし」の一話です。

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   『伝説』 (作手南中3 女子)

一、明神様

 昔新城に行くのに,雁峰山の道を通って行きました。その道の途中に大きな岩があります。岩と岩とのきれめの間に,この明神様の御神体である,白と茶のまだらの蛇がすんでいるそうです。以前はよく見かけたそうですが,近頃はあまりみかけません。その蛇は時には,おとなの人の足ほどにもなるそうです。そういうのを,みかけた時には,その大きな蛇をまたぐといいそうです。

 ある日馬喰がそこを通るとき,明神様をばかにして牛をたたくむちでつっついていったそうです。それで馬喰が家

にかえってから,そのむらで,牛をたたいたら,牛があっというまに死んでしまったそうです。

 また、明神様によくお参りにきた人の中で実際に助けてもらった人がいるそうです。河合さんという人が戦争に行って,泥沼の中で死にそうになってもがいていたところ,「おれは杉平の明神だ,おれの背中につかまれ。」と言う声が聞こえてくるので夢中でなにかにつかまったそうです。それが朝になってみると,木のまるたにつかまっていたそうです。

 また上郷村というところから,雨が降らないで田がかれそうなので,明神様に雨乞に来ました。拝んでいって村にかえったとたんに,どしゃぶりの雨がふってきたそうです。それに,碧海郡の人は,戦争で船がしずみそうになったときに,蛇がでてきて,いのちを救ってくれたそうです。

 これら明神様に助けられた人たちは,あとからよくお礼参りにきたそうです。今でも六月十五日には,おもちゃやお菓子をあげてお祭りをします。

二、庚申様

 現在お寺にお祭りしてある庚申様に,物がなくなった場合に頼むと,必ず出てくるそうです。そのお礼参りとして,七色のお菓子,つまり色々な色のお菓子をあげてお参りするそうです。

三、いのこのぼたもち(旧玄の子もち)

 旧の十月のいの日,一升ますに大きなぼたもちをつくっていのこ様をお祭りします。けれどもある組では,いのこのぼたもちはつくりません。それは,いのこの日にさといもをつけた牛をつれて,高山をおりてきたら,牛が死んだそうです。それで,いのこの日にはその組は,ぼたもちはつくりません。

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 今,ホタルが作手地区のあちこちで乱舞しています。

 地域の魅力を大切にしたいと思います。

 そして,地域に伝わる“古い話”を伝えていくことも大切なことだと思います。