『翻訳できない世界のことば』(エラ・フランシス・サンダース・著/前田まゆみ・訳)
今日も,“何となく白い朝”でした。
空は晴れていますが,昨夜に雪が舞ったようです。
日差しに暖かさを感じますが,やっぱり寒い日でした。この時期に,これほど“寒い”のは珍しいことです。
今季の冬は,どうなるかな。
図書室の書架で,「何? どんな言葉?」と気になった『翻訳できない世界のことば』(創元社・刊)を読みました。
“読みました”が,「なるほど!」と納得する感じがしませんでした。
それは“翻訳”されていないから,自分のなかに入ってこなかったようです。
昔,外国との交易・交流のなかで,相手の言葉を表す「日本語」を生み出しました。そして,その言葉が“態・体”そのものであるように定着しています。
最近は,日本語が生み出されずに,カタカナ表記で“そのまま”使っていることがほとんどです。
“グローバル”な社会では,必然なこととは思いますが,日本の文化や知恵が“薄く”なっているような気がします。
そんな気持ちを抱きながら,「日本語にするなら…」と造語を考えながら楽しみました。
一つの言葉が見開きで,左ページに「場面・状況の語り」と「国名」「品詞」があり,右ページに「単語」と「説明」そして「絵」で表されています。
順に読んでもよいし,どこを選んでもいい,どこからでも言葉の世界に入っていけます。
みなさんも,言葉で世界旅行をいかがですか。
ちょっと抜き書き
GEZELLIG(ヘゼリヒ) オランダ語/形容詞 単に居心地よいだけでなくて,ポジティブであたたかい感情。物理的に快いという以上の「心」が快い感覚。たとえば,愛する人と共に時をすごすような。 KILIG(キリグ) タガログ語/名詞 おなかの中に蝶が舞っている気分。たいていロマンチックなことや,すてきなことが起きたときに感じる。 COTISELTO(コティスエルト) カリブ・スペイン語/名詞 シャツの裾を,絶対ズボンの中にいれようとしない男の人。 TSUNDOKU(ツンドク) 日本語/名詞 積ん読。買ってきた本をほかのまだ読んでいない本といっしょに,読まずに積んでおくこと。 KALPA(カルパ) サンスクリット語/名詞 宇宙的なスケールで,時が過ぎていくこと。【関連】 ◇エラ・フランシス・サンダース