集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

中秋の名月。「格差」を考えた。

名月1004。 朝,曇り空でしたが,徐々に雲が消え青空の広がり,晴れた日になりました。  今日は「十五夜中秋の名月」です。  季節は「春・夏・秋・冬」の四季があり,旧暦ではさらに3か月ごとに「初・中・晩(孟・仲・季)」に分けています。ここから,8月が「中秋(仲秋)」となり,15日が秋全体の真ん中の日であり,その「十五夜の月」を「名月」として観賞する風習が生まれたそうです。  今夜は美しい月が愛でられそうです。  社会問題を話題にするとき,よく「格差が…」「格差社会だから…」という言葉が聞かれます。  いつ頃から使われるようになったのか分かりませんが,その“一言”で問題を語ってしまい,納得しているような気がしています。  辞書にある「同類のものの間における、価格・資格・等級・水準などの差」(大辞林)から,ベストセラー書籍によって“格差社会”が閉鎖性や閉塞感のある社会問題として扱われているようです。  選挙公約などに“格差の是正”が取り上げられることもありました。  現在の社会状況を是とするのではありませんが,「格差」は悪ではないと思っています。  社会には“格差”や“階層”が存在するし,それも必要だと思います。  以前にも記事に書いたこともありますし,“最近のできごと”,“危機管理の話題”…から,あらためて考えました。  戦国時代の武将は,能を愛で自らも舞いました。和歌を詠い想いを伝えました。  戦い好きの野蛮人や無骨者ではなく教養人でした。  かつて“愉しみ”や“楽しみ”だったことが,今の世は“娯楽”に置き換わりました。その多くは,“豊かな社会”が作りだしました。  「日本文化を学ぶこと」「伝統芸能を守ろう」「郷土の文化を受け継ごう」…と,学校や地域で取り組まれています。  保存会などの活動には,頭が下がります。  その保存されたものが受け継がれていくには,その“価値を分かる人たち”が必要です。  価値を分からずに愉しむことはできませんし,何が大切かの判断ができません。  その“価値を分かる人たち”は,一定の階層をなしていると思います。  文化や伝統は,「もの」として見えにくいものです。もちろん,それで飢えを凌ぐことはできません。  その見えにくいものが分かる階層があり,格差があります。  “だんな”や“たにまち”という言葉がありますが,これも一定の階層にある方々が担っていると思います。  「物」を第一にしていく社会を目指すのなら,格差の是正も大切かもしれません。  けれども,それよりも“格の違い”“階層の差”“格差”のある社会を認めていく社会が,これからを“豊か”にしていくことになると考えています。  言葉足らずで誤解を招くでしょうが,あえて記事にしました。