数学甲子園。『「先生が忙しすぎる」をあきらめない』(妹尾昌俊・著)
大型で強い台風18号が“ゆっくり”進んでいるからか,当地の日中は,小雨が降る程度で曇り空でした。
九州に上陸し,近畿,北陸,東北へと進んでいく予報です。被害が広がらないように。
今日,数学甲子園2017の本選が行われました。今年度も,ネット中継が行われていました。
◇数学甲子園2017 数学力No.1はどのチームか!?(FRESH!(フレッシュ))
午前のMath Battle,午後のMath Live のようすを見ました。
Math Battleの実況を桜井進氏と中島さち子氏が行っており,休憩時間には二人のトークがありました。
60分のMath Battleでは,日本語,英語の問題を出題され,それをチーム内で“分担”し,“どのように確認”していくかの戦略が,一人一人の数学力を活かすことになるようです。
実況で,参加者が解いている問題に,「教科書問題に落とし込めるかどうか,だね。」と解説がありました。
“難しそうな問題”も,どのように既習と戻すかが分かれば“簡単”です。それも数学力です。
でも,短時間で気づく,解けるのは…。
また,Math Live の休憩では,中島氏が南山高校のプレゼン問題を「すごく面白い問題だったので…」と“拡張”した問題を話しました。
桜井氏は,いくつかのプレゼンにあった“e”の問題について,「ネイピア数」から話をしました。
「数学が好き」ということは,こういうことですね。
中・高校生が数学を楽しむ姿に感動しました。
働き方改革,教員の多忙化,ブラックな職場,部活動問題… さまざまに問題があり,その改善に取り組みながらも,なかなか進まない…,それを「何とかしたい」と考えている方々へのエールを贈る『「先生が忙しすぎる」をあきらめない―半径3mからの本気の学校改善』(教育開発研究所・刊)です。 「はじめに」で,
働き方改革,教員の多忙化,ブラックな職場,部活動問題… さまざまに問題があり,その改善に取り組みながらも,なかなか進まない…,それを「何とかしたい」と考えている方々へのエールを贈る『「先生が忙しすぎる」をあきらめない―半径3mからの本気の学校改善』(教育開発研究所・刊)です。 「はじめに」で,
本書は,そのための,本気で進める学校改善の実践ガイドです。主に小・中・高校の教職員や教育行政の職員向けに書いていますが,保護者や地域,企業,NPO等の立場から学校にかかわっている方,あるいはこれから関わっていきたい方も手にとっていただければ,幸いです。と,語りかける相手にしています。 本書では,まず「忙しさ」「多忙(感)」について,データを元に述べ,いろいろな資料,声を紹介して,問題の状況を明らかにしています。 「忙しい」について,2つのアプローチをしています。
・多くの人が多くの時間を使っているのは何か。(A 固定費)(1階部分) ・忙しい人ほど何に時間を使っているか。(B 変動費)(2階部分)これによって“問題の質”の違い,“改善へ視点”の違いなどが分かりやすくなっています。 続けて,それらの問題が“改善してこなかった”状況について説明しています。 最後に,著者の「本気の学校改善」への提案をしています。 そして,各章の終わりには,「summary」で内容をまとめ,「How about you?」で“あなた”に問いかけています。ここで“自分の考え”をはっきりさせて,次章に向かうと,より“深く考えられる”ように構成されています。 「子供を幸せにしたい」「学校を何とかしたい」という方に,お薦めの一冊です。 そして,“半径3メートルからの行動”を始めましょう。 読書メモから。
○長時間過密労働の重大な影響 ・個人レベルでは,授業準備や自己研鑽の時間が減る。組織レベルでも学習が減る。 ・心身ともに疲れる,病気になる。 ・「ともかく長く働けばよい」,「仕事のためには,家庭やプライベートは犠牲にせざるを得ない」と生産性やワーク・ライフ・バランスを軽視することが子どもへ影響する。 ・教師が不人気職になってしまう。教員の質の低下へつながる。 ○学校の長時間労働が改善しない6つの言葉 ・前からやっていることだから(伝統,前例の重み) ・保護者の期待や生徒確保があるから(保護者と生徒獲得のプレッシャー) ・子どもたちのためになるから(学校にあふれる善意) ・教職員はみんな(長時間一生懸命)やっているから(グループシンキング,集団思考) ・できる人は限られるから(人材育成の負のスパイラル) ・結局,わたし(個々の教職員)が頑張ればよいから(個業化を背景とする学習の狭さ) ○個業(個人プレーの仕事の進め方),“孤業”(孤立した仕事)が増え,組織的に業務改善を進めたり,役割分担を見直したりすることがへりますから,さらに多忙化に拍車がかかる,悪循環となります。 ○ときには耳の痛いことを継あえて,部下と職場を立て直す。 ○SBI情報をよく観察して記録しておき,伝えること。 Situation(どんな状況での) Behavior(部下の振る舞い,行動が) Impact(どんな影響をもたらしたのか,ダメだったのか) ○教員の世界は,“ブラック”と揶揄される企業以上の過酷な労働時間や,お寒い労働管理の実態がある側面も多々あります。「社会の働き方を変えるにはまずは学校から」というくらいの気概が必要かもしれません。
目次 はじめに――今日も頑張っている先生方へ 第1章 だれが、どのくらい忙しいのか 第2章 忙しいのは、なにが問題か 第3章 なぜ忙しいのか、なぜいつまでも改善しないのか 第4章 本気の学校改善――あきらめる前にできる、半径3メートルからの実践 ◆基本方針1 現実を見よ。本当にこのままでいいのかという対話を ◆基本方針2 子どものためとばかり言うな――重点課題とビジョンをもとに、仕事をやめる、減らす、統合する ◆基本方針3 教員でなくてもできることは手離れさせるとともに、チームで対応できるようにする ◆基本方針4 前例・伝統だからと思考停止せず、今日的な有効性を問い直そう ◆基本方針5 管理職はいい人というだけではダメ。キビシイことも言い、立て直す支援を ◆基本方針6 学校のサポーター・応援団を増やそう ◆基本方針7 働きやすい職場をつくり、学び続ける教職員チームになろう おわりに――今日も、これからも頑張る先生方へ現在の名刺に,3つの肩書を載せています。その一つ「教育研究家」は,昨年度,妹尾氏とお会いし話をした時,彼の名刺に「教育研究家」とあり,それを“いただいた”ものです。 最近の妹尾氏の活躍を拝見しながら,気軽に名乗っては拙いかなと思っています。 【関連】 ◇数学甲子園2017公式ホームページ(公益財団法人 日本数学検定協会) ◇桜井進(Facebook) ◇中島さち子(Facebook) ◇妹尾昌俊アイデアノート〜ステキな学校、地域、そして人たち ◇『変わる学校、変わらない学校』×『「先生が忙しすぎる」をあきらめない』(Facebook) ◇妹尾 昌俊(Facebook) ◇妹尾昌俊(教育研究家) (@senoo8masatoshi)(Twitter)