集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『残業税』(小前亮・著)

花520。  今日は,二十四節気の一つ「小満」です。  「万物盈満すれば草木枝葉繁る」と言われるように,すべてのものが満ちあふれ,草木に枝葉が茂る頃です。  緑の色がまぶしい一日でした。  昨日の打合せを受け,次の準備の相談をしました。みなさんの意欲に押され,準備が進みました。  次の段階に一歩踏み出しました。  みなさん,よろしくお願いします。  相談を終え,小学校を訪問しました。  最近のこと,これからのこと,教科指導のこと,いろいろなお話をうかがいました。  予定をこえて対応いただきました。ありがとうございました。  校長先生,よろしくお願いします。  「黄色い表紙」の本。どこかで見たような…。  トッカン(特別国税徴収官)シリーズに似ている…。  聞いたことのない「残業税」が題名です。  残業したら税金を支払うという制度のなかで残業税調査官と労働基準監督官が問題を解決していく『残業税』(光文社・刊)を読みました。  “残業”に所得税以外の税金をかけることで,残業を減らすという施策です。  長時間労働サービス残業ブラック企業など,労働についてさまざまな問題があります。  その解決への“有効な手段”かもしれません。  「残業税」の制度について,小前市のブログで,次のように説明しています。
○ 残業税の税率は、月40時間までが20%、月80時間までが40%、それを超えると80%です。これが残業代(法定時間外であれば休出手当なども含む)についてかかります。労使折半で、税金は源泉徴収されます。 ○ サービス残業は脱税であり、労使ともに処罰されます。ただし、違反を労働者が告発した場合および税務署の調査に協力した場合、罪は免除され、税の支払い義務は使用者に移ります。 ○ 税務署所属の残業税調査官と、労働基準監督官がコンビを組んで不正を取り締まります。が、省庁の壁があるので、この両者は一般的に不仲です。 ○ 専門性と公共性の高い公務員は、除外職あるいは免除職と言われ、残業税が免除されます。警察官、消防士、自衛隊員、教師、残業税調査官などです。民間にも免除制度はあります。 ○ ホワイトカラーエグゼンプションの対象となる年収1500万以上の給与所得者は、残業の概念がないので残業税もありません。 ※残業税導入と引き替えに、以下のような企業優遇策がとられています。 ・法人税の実効税率は20%です。 ・解雇規制は緩和されています。不当解雇の金銭補償制度が導入されています。
 本のなかで「月換算の残業時間が増えるごとに,税率はアップする。四十時間を超えると,超えた分は四割,過労死ラインの八十時間に達すると,以降は実に八割だ。」と,現在の労働時間と重ねて読むことになります。  残業税により,「残業時間が増えると,労働者の手取りは減り,企業の負担は増える。」と,企業だけで,労働者自身も“痛み”があります。  労使で「残業を減らそう!」と取り組める,“素晴らしい制度”のようですが…。  何事にも,それを”避けよう”とする動きがあるっもので,それを解明・解決しようと残業税調査官の矢島顕央と労働基準監督官の西川宗太郎のコンビが調査していきます。  事案に向かう矢島と西川とともに,その「?」を追いながら楽しく読みました。  出版社の案内文には,
 中野税務署の残業税調査官・矢島顕央はコンビを組んでいる労働基準監督官・西川宗太郎から居酒屋「まさひろの蔵」の案件を持ちかけられた。正社員1人あたりの1ヵ月の残業は10時間に満たない。飲食業においてはたしかに少なすぎる……残業を過少に申告し、納めるべき残業税をごまかしているのか?  会社にだまされひどい状況で働かされているに違いない従業員を救いたい西川と、課すべき税をきちんと課したい矢島は、満を持して立ち入り調査に出向くのだが――。
とありました。  「何のために働いているのか。」「誰のために働いているのか。」…  今の日本に「残業税」は必要でしょうか
  目次 第一話 マルザの日常 第二話 脱税のトライアングル 第三話 誇り高き復讐者 第四話 メテオの衝撃 第五話 逆襲のクリスマス・イブ
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