『赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う。』(青柳碧人・著)
雨の日になりました。
暖かった昨日から一転、気温の上がらない寒い日でした。
“日本昔ばなし×本格ミステリ”の新刊『赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う。』(双葉社・刊)を、わくわくして読みました。
前作『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』でミステリー界に衝撃のデビューを果たした赤ずきんに相棒ができました。 その名はピノキオ! とある目的があって一緒に旅をするのですが、ゆく先々でまたもや事件が発生します。 『白雪姫』『ハーメルンの笛吹き男』『三匹の子豚』……。 世界のみんなが知っている童話をベースにした連作本格ミステリ第二弾。 今作も、あの決め台詞が炸裂します。今回のお話は、赤ずきんが「木でできた人形の腕」を拾ったところから始まります。 その“腕”は、意思をもって指が動きます。 ペンを握らせると、紙に文字を書き始め…。 その言葉を見たお母さんが言います。
「赤ずきん、あなた、ピノキオくんを助けてあげなさい」 「私が?」 「腕を拾ってきた縁じゃない」腕は、“魔女がばらばらにしたピノキオ”のもの。赤ずきんとピノキオの腕が、旅に出かけます。 最初に出会ったのは“キツネのアントニオ”の死体、その犯人に仕立て上げられそうになり…。 赤ずきんの行くところ“殺人事件”があり、「こういうの得意でしょ」と探偵役にされ、「「こういうの」って言わないの」と怒るが、どんどんと事件の謎を解いていきます。 そのトリックは…。そして、真犯人は…。 本作も、話を読む前、読み終えて、それぞれの昔話・原作を読み返すと、違った世界が表れそうです。 赤ずきん、そしてピノキオと一緒に、旅を楽しみ、謎解きを楽しみませんか。お薦めです。 【参考】(目次にかえて) 本書の“元になった昔話”を、サイト「福娘童話集」で、改めて確かめてはいかがですか。 ■ 目撃者は木偶の坊 → ◇ピノッキオ(ピノキオ) ■ 女たちの毒リンゴ → ◇白雪姫 ■ ハーメルンの最終審判 → ◇ハメルンの笛吹+◇ブレーメンの音楽隊 ■(幕間)ティモシーまちかど人形劇 ■ なかよし子豚の三つの密室 → ◇三匹の子ブタ 【関連】 ◇青柳碧人 (@aoyagi)(Twitter) ◇『むかしむかしあるところに、死体がありました。』公式サイト(双葉社) ◇『むかしむかしあるところに、死体がありました。』(青柳碧人・著)(2020/10/03 集団「Emication」) ◇『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』(青柳碧人・著)(2020/10/10 集団「Emication」) ◇『むかしむかしあるところに、やっぱり死体がありました。』(青柳碧人・著)(2022/01/29 集団「Emication」)