『教養としてのチャップリン』(大野裕之・著)
昨日の雨が続くことはなく、 夕方から曇ってきましたが晴れの一日でした。昨日の雨でしっかり湿って、洗濯物の乾きにくい日でもありました。
この記事をご覧のあなたは“チャップリンをご存知”ですよね。
おそらく Z世代のみなさんも、「山高帽にちょび髭、ステッキを持ってがに股歩き…」と特徴のあるキャラクター チャーリー・チャップリンを知っている・見たことがあるでしょう。
日本チャップリン協会会長の大野裕之氏が、“「いま」の視点から”チャップリンを語る『ビジネスと人生に効く 教養としてのチャップリン』(大和書房・刊)を楽しく読みました。
第2章に取り上げている5本のチャップリン作品(映画)『キッド』、『黄金狂時代』、『サーカス』、『街の灯』、『モダン・タイムス』は観たことがある(ような気がする)ので、「チャップリンを知っている。」と答えます。
しかし、内容は詳しくしるわけでないし、作品の背景は知りません。
「チャップリンの何を知っているのだろう?。」
本書は、現代に活きる「凄い!?」、「そうだったのか」、「戦いだったのか」を気づかせ、教えてくれ、喜劇王 チャップリンの笑いを見せてくれます。
出版社の紹介には、
史上初めて世界的にバズった人物で、キャラクターの概念を作り出した男。 ウォルト・ディズニーにビジネスを教えた師匠であり、ヨーロッパの通貨統合、ワークシェアリングを提唱し、すべての作品で利益を上げた名経営者。 100年前に格差社会、同性愛など、今日的テーマを描いたダイバーシティの先駆者にして、時の独裁者と真っ向から闘った、喜劇王。 チャールズ・チャップリン。 チャップリンを知れば、「今」がわかる!独裁者と真っ向から闘い、100年前にダイバーシティを実践した、エンタメビジネスの創始者。新型コロナ禍の日々、戦争・紛争の世界…、「いま世界には、新たなチャップリンが必要だ」(ウクライナ大統領・ゼレンスキー)なのでしょう。 喜劇、ユーモア、笑い…は、人生を豊かにするために必要なのです。その“本当の教養”をチャップリンが授けてくれます。そこに誘ってくれる一冊です。 読書メモより
○ 人が生きて行くためには、衣食住と同じくらい〈笑い〉が必要なものだ ○ その時にチャップリンが言い放った言葉が「僕は、公園と警官とかわい子ちゃんさえあれば、コメディを作れます」でした。 ○ 常にある種の残酷さが作品の底に冷たく流れているからです。 ○ 鏡の迷路は、強大な資本主義社会の中で、新たなチャーリー/新たな自分を模索する迷路です。 ○ それはロマンスを分かつ壁にして、社会的階級を厳然と区別する壁でもあるわけです。 ○ チャップリンが1931年頃に執筆していた「経済解決論」という未発表の論文の内容です。 ○ 世界で最初にキャラクターの肖像権を認めさせた人物となったのです。 ○ 今や世界に影響を与える日本のアニメの遠い祖先にチャップリンがいたというのは興味深い話です。 ○ 経理上の秘密を開示したことには驚きますが、惜しげもなく伝授したことで業界全体を盛り上げてパイを大きくしたわけで、先輩ビジネスマンの心得のようなものも感じます。 ○ 紋切り型の描写には差別感情はなくてもされた方は不快です。 ○ 世界中の人が心から笑えるユーモアだけを求めて苦闘しているあいだに、「差別では笑えない」ということに気づき、差別的な笑い、安易なギャグを慎重んび取り除いていったのです。 ○ チャップリンは史上初めて「炎上」を描いた ○ 歌舞伎座にて『蝙蝠の安さん』として歌舞伎化されていた ○ 「私は自分が天使かどうか知りません。皆は私のことを特別だと言います。でも、人はみんな特別なのです!」 ○ 二人の若き日々を振り返ると、《1914年》という年、そしてその年に勃発した第一次世界大戦が、ターニングポイントになっている ○ 最大の武器だった演説の効力がなくなってしまった。笑いによって、ヒトラーの武器が奪われてしまった。
もくじ はじめに──「チャップリンって生きてるんですか? 人間なんですか?」 第1章 チャップリンの作り方! 第2章 謎解きチャップリン映画 第3章 チャップリンから学ぶビジネス 第4章 チャップリンが予知していた未来 移民──「自由の女神」を見つめる瞳 人種・民族問題──偏見からどうやって逃れるか? 格差社会のリアル その1 薬物をどう描いたか 格差社会のリアル その2 弱者をどう描いたか 多彩なアーティス トへの影響 メディア──世界で初めて“炎上商法”を描いた ダイバーシティ その1 同性愛のモチーフ ダイバーシティ その2 東洋文化への深い理解 ダイバーシティ その3 日本とチャップリン 新興宗教と現代──幻の遺作で描こうとしたもの 第5章 チャップリンVS ヒトラー 武器としての笑い エンドロール あるいは前座として──再び「チャップリンって生きてるんですか?」 謝辞 もっとチャップリンを知りたい人のためのガイド 参考文献・写真クレジット【関連】 ◇大野裕之@新著『教養としてのチャップリン』 (@ono_hiroyuki)(Twitter) ◇チャップリン公式/日本チャップリン協会(@chaplin_japan)(Twitter) ◇【宇多丸 ? 大野裕之】今まで知らなかった『チャップリン』のスゴいとこ 特集(2022/11/22 YouTube) ◇「チャップリン歌舞伎『蝙蝠(こうもり)の安さん』映像解禁/ チャップリン家公認の世界初『街の灯』舞台化(Twitter国立劇場(東京・半蔵門)(@nt_tokyo)) 【おまけ】 第5章でチャップリンの“武器としての笑い”を述べるのは映画『独裁者』を通してでした。 その“『独裁者』結びの演説”を聴きたい(観たい)と探して見つかった動画の一つです。 床屋(チャップリン)が語りかける演説を聴いてみませんか。