集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『ぼくもだよ。 神楽坂の奇跡の木曜日』(平岡陽明・著)

漁港1230。 天気のよい日でした。  このところの天候を、「気温は低いが…、暖かさを感じる…。」と表現していますが、気温が低いのは変わりません。  望むべくもありませんが、“実感としての暖かさ”が欲しい。  年末年始の天候は…。  「いい話の図書館」で46冊目の図書『ぼくもだよ。 神楽坂の奇跡の木曜日』(平岡陽明・著)を読みました。  本に恋する小林店長は、「本に恋する店主の呟き新聞」に
 人生は食べたものと読んだものでできている一帯に書かれた言葉に、感動した。こんなに適切な言葉はないと思う。  いろんな境遇や環境はあるけれど、「ぼくもだよ」と共感してれもらえたら、しかも自分にとって大切な人に……生きてゆく力になるのです。
とメッセージを載せています。  表紙に、男性が店番する書店の道を、盲導犬を連れた女性が描かれており、裏表紙は男性の背後から書店の前を通る女性と盲導犬が描かれていました。  表紙や裏表紙をあまり見ずに、本書を読み始めてしまいましたが、ゆっくり見てから読むと、物語に違った“気づき”があったかなと思いました。  最初に登場するのは、「人は食べたものと、読んだもので出来ている。」を信念とする書評家、竹宮よう子です。よう子の生活、心象が描かれていきます。  「オッケー、Google。今日の天気を教えて」と彼女の朝が始まります。表紙のことを忘れ、「今どきのおしゃれな生活だな」と思っていました。4ページ読んで「駅まで行こうね」とアンに声をかけるところで、やっと気づきました。  この“鈍感さ”は、この後も…。  次の章(?)は、古本屋を営む40歳の男性、本間の生活、心象が描かれます。  この後、よう子と本間を交互に描かれていきます。この“切り替え”が、その後…。  竹宮よう子と七瀬希子、アン、「白洲正子」、“ちくま文庫の女”、ふうちゃん、ホッファー、“広瀬かすみ”、“カザマ君”、“友美・慶子”、渡辺さん、元妻・お母さん、滝川、米原ハト先生、近藤誠也、青山、前沢友美、マイク……  それぞれの人生、出会い、そして繋がり…。そこに、あなたは…。  出版社は、
 「読書はどんなに孤独な行為に見えたとしても、人や世界とつながることです」  神楽坂に盲導犬と住むよう子は、出版社の担当・希子と隔週の木曜日に、打ち合わせを兼ねたランチをするのが楽しみだ。一方、神楽坂で“古書Slope”を切り盛りするバツイチの本間は、五歳になる息子のふうちゃんと、週に一度会えるのが木曜日だ。  書物への深い愛、物語への強い信頼、それを分かち合える大切な人。本に込められた“想い”を伝えていく―。
と、図書を紹介しています。  よう子の“生活”、そして本間の“暮らし”を知り、そして、竹宮よう子の作品を読み、温かい気持ち、しみじみとした感動がわいてきます。  お薦めの一冊です。  読書メモより
○ 古本屋の本質も見えてきた。   古本は買って楽しく、読んで楽しく、売って楽しい。   売れる本と、売りたい本は違う。   値づけは古本屋の生命線であり、創造的行為である。   そもそも人はなぜ古本屋になるのか?   本は売るよりも仕入れる方が楽しいからだ。 ○ 梱包、発送。こんぽう、はっそう。コンポー、ハッソー。 ○ よう子は頷いた。その通り。たいていの人は、目で本を読む。/「だけどよう子さんは指で読んだりする。読むだけじゃなくて、その面白さや感動を人に伝えることができる。 ○ 同じような苦しみを持つ人は多いだろう。日本人の五人に一人はエンパスだという。 ○ 歳をとると、若い頃のように気持ちがぼんぼん移っていかず、一つの感情に長く拘ってしまう。 ○ 本間はホッファーという新しい先生を見つけて来てくれた。
?【「いい話の図書館」】  ◇最近紹介した本   ◇『となりのたぬき』(せなけいこ・作・絵)(2022/11/16)   ◇『やめるときも、すこやかなるときも』(窪美澄・著)(2022/11/03)   ◇『ふたごじてんしゃ物語』(中原美智子・著)(2022/09/24)   ◇『神さまの貨物』(ジャン=クロード グランベール・河野万里子・訳)(2022/08/06)   ◇『いつか あなたを わすれても』(桜木紫乃・文/オザワミカ・絵)(2022/07/30)  *以前に紹介した本は   ☆カテゴリー「いい話の図書館」から 「いい話の図書館」とは… 本との出逢いは,人生を変えます。辛い時,悲しい時,苦しい時,一冊の本が「生きる希望」を授けてくれます。  そこで,ステキな本との出会いを提供する「いい話の図書館」を全国津々浦々に作ったら,どんなに素晴らしいだろうと考えて館主を募集しております。「いい話の図書館」の館主のお仕事は,本棚にステキな本を並べて多くの人に自由に読んでいただくこと。そのステキな本は,テレビをはじめ,マスコミでも話題の小林書店のカリスマ店主,小林由美子さんが心を込めて推薦する本です。   ◇18年間ありがとうございました 〜活動終了のお知らせ〜(いい話の広場)   ◇小林書店さん (@cobasho.ai)Instagram写真と動画)   ◇志賀内 泰弘Facebook