年末の混雑。 3-1 道徳教育の振興 (教育の再生)
天気のよい日でしたが、小雨の舞うこともある雲の目立つ一日でした。
用事があり高速道路を通りました。交通量が多く、“渋滞”の起きる高速道路の状況でした。
一般道に降りてからも、あちこちで“渋滞”がありました。
“行動制限のなり年末年始”を実感する一日でありました。
平成21年に発行された冊子『教育の再生(要約)』は、愛知県の教育に所縁のある宮田力松氏の図書の要約本です。
宮田氏が指導されていた頃とは状況が変わっていますが、今も変わらぬこと、考えたいことが述べられています。若い先生や教職を目指す若者に、これからの教育を創っていく参考にしていただきたいと思います。
この冊子から紹介します。
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3 学校教育に期待するもの
道徳教育の振興
道徳教育の推移
昭和二十年八月、連合国軍総司令部により、修身、日本歴史、地理の三教科は停止、のち日本歴史、地理は再開、修身の復活はなかった。
戦後の道徳教育は、社会科を中心に、学校教育全体で実施、昭和三十三年文部省は、「道徳」を特設、道徳教育を補充・深化・統合し、評価はしない、学級担任が担当、教科書は作らない、週一時間実施することとした。
修身教育
戦前、小学校(尋常科)の教科は、修身、国語、算術、歴史、地理、理科、図画、唱歌、体操、裁縫である。教科書は国定教科書で、学級担任が担当し、評価は絶対評価である。
修身の教科書にある、勤勉、忍耐、倹約、公益、博愛、克己、勇気など、いつの時代、どこの国にでも通ずる規範であるが、修身教育について、教育勅語とともに口にすることさえ出来ない雰囲気に包まれていた。
学校の道徳教育は、期待されるような成果を上げるには至らず、当時起きた多くの事件は、その証しのように思われていた。
教育再生会議(第三次)報告
道徳教育振興のため、画期的な報告が公表された。(平成十九年十二月)
○ 徳育を「教科」とする。
○ 教科書を作る。
○ 点数による評価は行なわない。
○ 学級担任が担当する。
徳育実施上の留意点
○ 教材を古典から選ぶ
何千年と風雪に耐えてきた古典こそ、宝の山である。古典に、その価値を認め、その中から他をして感動せしめる精神を学ぶ。古典こそ、宝の山である
○ 多彩な発展
・ その教材として、唱歌、児童劇、対話、踊りなど多彩に発展可能なものがよい。
・ 要は、生き生きとした血の流れるものにするため、その方法を創造し、道徳の時間が教師、子供にとって待ち遠しいものに仕上げることに尽きる。
○ 礼儀作法
・ 礼儀作法は家庭で行なう仕事だと思い込んでいる人がいる。現在、礼儀作法に手の及ぶ家庭は何軒もない。
・ 学校の道徳、特活で年間計画を立て、年に五時間程度特設する事も一案である。
・ かって若者達、青年団が命がけで礼儀作法の励行に努めていたことは、記録に詳しい。
○ 勤労を重んずる
・ 新教育基本法では、勤労についてこれまで以上に、その実践と成果を期待している。当然のことである。
・ しかし、学校での実践活勤は、さまざまな問題に当面し苦労していることも事実である。
・ まずは、学校の実情に即応した実践計画を樹立することである。
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注)これまでの記事は〈タグ「教育の再生」〉で
注2)掲載しているイラストは、学年通信(1993・1994年度)用に教員が描いたもので、冊子との関連はありません。