集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『もし幕末に広報がいたら』(鈴木正義・著/金谷俊一郎・監修)

花0531。 雨の朝でした。深夜に強く降りましたが、傘を開かずに済みそうな小雨でした。  昼までに雨は上がりましたが、蒸し暑さを感じる日でした。  間もなく“梅雨”の時期を迎えます。今年は、被害の出るような降り方をしないと良いのですが、どうなるでしょうか…。  よく聞くポッドキャストで取り上げていた『もし幕末に広報がいたら 「大政奉還」のプレスリリース書いてみた』(日経BP・刊)が面白そうで、早速読みました。  “広報”の方が著者であり、題名にも「広報」とありますので、本書が「ビジネス・経済」の図書に掲載されていますが、読んでいくと「歴史・日本史」の内容ですし、そのジャンルに置いた方が多くの方が手に取るように思いました。
 現役の広報マンが、マスコミ向けの「プレスリリース」を武器に誰もが知る日本の歴史的大事件を報道発表するとこうなった!  情報を適切に発信・拡散する広報テクニックが楽しく学べるのはもちろん、日本史の新しい側面にも光を当てた抱腹絶倒の42エピソード。監修者には東進ハイスクールのカリスマ日本史講師の金谷俊一郎氏を迎え、単なるフィクションに終わらせない歴史本としても説得力のある内容で構成。
 5章で42の事件・出来事を取り上げ、それぞれの“担当組織”から、事件・出来事が適切(?)・効果的(?)に進むようメディアに向けて“発表・広報”されます。その文書(プレスリリース)が掲載されています。  ビジネス書として「リスクマネジメント」からの章立てになっていますが、市井の人(?)にとっては「制度改革」か「リーダーシップ」が最初にあると、本書の構成に馴染み易いように思いました。  それは年寄りだからであって、働き盛りの方々には、この構成が分かりやすいかもしれません。  本書を「もし、自分がプレスしたら…」と読んでいくと、本書とは異なる視点や内容の“プレスリリース”が思い浮かぶのではないでしょうか。  それを綴っていくと、新しい歴史が浮かんできそうです。  本書で“広報”を、そして“新しい歴史”を楽しんでみませんか。  読書メモより
○ 選んだ理由は、先の見えない不安の中でどういうマスコミ対応をすべきだったか、幕府の広報の立場を追体験してみたかったからです。 ○ 歴史を書くうえで非常に難しいのは、誰の視点で書くかということです。 ○ 忠臣蔵はすてきな話で私も大好きですが、これをネット上でどんどん成長していく物語のように捉えると、少し恐ろしいものを感じてしまいます。 ○ もう賢明なる読者の皆さんならお察しかと思います。我が国初の「バ美肉おじさん」は紀貫之だったのです。 ○ 行政の場合は、住民に対する情報提供という側面が大きいと思います。(略) 自治体の広報誌、ホームページを分かりやすく興味をもって読んでもらう工夫も、行政広報の大事なスキルと言えるでしょう。 ○ 昨今社内報の大切さを痛感します。 ○ プレスツアー、何だかんだと言って非常に大事な活動なのです。 ○ そもそも広報という仕事は、コミュニケーションのサポートとも言えます。
   CONTENTS まえがき 1章 リスクマネジメント 2章 制度改革 3章 マーケティング 4章 広報テクニック 5章 リーダーシップ 監修者あとがき  日本の歴史はプレスリリースの歴史である プレスリリース年表 参考資料