『考える力を高める キャリアデザイン入門』(藤村博之・編)
曇り、そして雨の降る日でした。
先日のラジオで"gut feeling"(ガット・フィーリング/ガッフィーリン)という言葉(表現)を知りました。
【意味】 直感、虫の知らせ、第六感 【説明】 gut は腸や内臓のことで、理論的に考えるのではなく、体内から感じる本能的な感覚(直感)のこと。会話で使うことはなさそうですが、頭ではなく腹の底から湧き上がってくる身体的な感覚が「直感」というのは、よく分かる単語でした。 キャリアデザインの本を見ていくと、『考える力を高める キャリアデザイン入門』(有斐閣・刊)がありました。 表紙に「考える力を高める」「なぜ大学で学ぶのか」の副題に惹かれ手にしました。 本を開くと、目次が細かい… 読み始めると、文字が小さい…… 「あれっ…」 あとがきの「本書のもとになったのは、2018年度に法政大学で行われた「キャリアデザイン入門」という講義です」を読んで分かりました。出版社の内容紹介にも、
大学1年生向けに,働くことの社会的意味や大学の学びとのかかわりを説きながら,キャリアとキャリアデザインを解説。キャリア教育と専門教育を結びつけ,専門課程に意欲的に取り組むことも含めて,大学4年間を有意義に過ごすためのヒントが得られるテキスト。と、これから大学で学ぶ学生に向けた図書であることが書かれています。 本書は、4部14章で構成されており、1章が授業1時間の内容となっています。 順に読んで“理解”していくのがよいでしょうが、意欲をもった学生でないと難しそうです。 まず、目次から“気になる章”から読むことをお勧めします。授業でのリードから主題、そしてまとめで、テーマについて説明がされています。章末に「こんなことも考えてみよう!」の項があり、テーマから広げていくような質問が書かれています。授業なら「課題」にあたるのでしょう。 大学生が「キャリアデザイン」を学ぶテキスト(教科書)として、社会人が「自分のキャリア」を考えるワーク・学び直しとして、本書をいかがですか。 社会人のみなさん、気分が“若返る”かも…。 「こんなことも考えてみよう!」より
○ 高村幸太郎「道程」は、とても長い詩です。その全文を読んで、キャリアとどのようなかかわりがあるかを考えてみよう。 ○ コンビニで売られている「明太子おにぎり」があなたの手元に届くまでに、どれくらいの人がかかわっているかを調べてみよう。 ○ アルバイトと契約社員について、法律上どのような違いがあるかを調べてみよう(略) ○ 正社員と派遣社員の仕事や待遇の違いを比べてみよう。 ○ あなたが考える「日本人としてのアイデンティティー」と具体的に表現してみよう。 ○ あなたが知っている仕事のうち、10年後AIに取って代わられそうなのはどんな仕事でしょうか。(略) ○ 100年以上の社歴を持つ老舗企業を1社取り上げ、どうしてその企業が生き残ってこられたのかを考えてみよう。 ○ See-Think-Plan-Do の手法を使って、現在あなたが抱えている問題の解決策を考えてみよう。 ○ 新型コロナウイルス感染症の広がりによって、国際的な物流にどのような変化が起こっているかを調べてみよう。 ○ あなたの座右の銘を決め、友人になぜそれを座右の銘にしたのかを話してみよう。
目次 第1部 キャリアとカリキュラム 第1章 キャリアとは何か 第2章 大学で学ぶ意味 第2部 社会に生きる 第3章 社会を見る目を養う──新聞を読み比べる 第4章 労働の連鎖を追ってみる 第5章 アルバイトは就業経験になるのか 第3部 キャリアを育む 第6章 働くことの意義──身近な人に聞いてみる 第7章 やりがいはどこで生まれるのか 第8章 ライフキャリアと職業キャリア──女性の視点から 第9章 ライフキャリアと職業キャリア──男性の視点から 第4部 変化に挑む 第10章 グローバル人材とは 第11章 仕事の未来を考える 第12章 変化対応力を鍛える 第13章 世界の中の日本 終章 考える力を高める あとがき 索引 Column一覧 1 他学部の講義も聴いてみよう 2 B to B 企業は面白い! 3 「報・連・相」って何? 4 「ノマドワーカー」がこれからの働き方に… 5 留学のすすめ