集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『本が紡いだ五つの奇跡』(森沢明夫・著)

ポスト1223。 週末は「強い寒波で…」と予報されていますが,天気が良く穏やかで,この時期としては暖かい日が続いています。  先日,「DINK族」という言葉を聞きました。  NHK BS1スペシャル『ママにはならないことにしました〜韓国・ソウル・出生率0.64の衝撃〜』で“韓国の状況”が取り上げられていました。  韓国の“受験戦争”の過熱は聞いていましたが,その広がりからの社会問題(?)が,DINK族として不本意な選択もあるようです。  「今,日本は…」の思いをもって…。  「いい話の図書館」で34冊目の図書『本が紡いだ五つの奇跡』(講談社・刊)です。  本に恋する小林店長は,「本に恋する店主の呟き新聞」に
 これこそ森沢明夫という作家の本領だと思って胸が熱くなった。  本に対する愛情,だろうか。一冊の本に多くの人の思いが交錯する。編集者,作家,装丁デザイナー,書店員,読者,その一人一人の葛藤に真剣に向き合った一冊,わたしはやはりこの作家が好きなのです。
とメッセージを載せています。  店長の言うほどに著者を知らず,本書が届いてから開くまでに時間がかかりました。  読み始めると,引き込まれました。そして,一気に読み切りました。  5つの“奇跡”をつなぐのは,編集者 津山奈緒(第一話)が担当し,小説家 涼元マサミ(第二話)の著した一冊の本『さよならドグマ』です。
 〈本を愛するすべての人に!〉  本が生まれて、読者へとつながる「本に関わった五人の奇跡の物語」。  仕事がなかなかうまくいかない女性編集者の最後のチャレンジで実現した新作小説。  その小説が人々を気持ちを奇跡のように紡いでいく。  心の機微をやさしく綴る感情の魔術士の最高傑作。
 若い編集者が「あの人に読んでもらいたい」との強い思いをもって,筆を折ろうとしていた小説家に依頼をします。拒んでいた小説家が…。  一冊の本が誕生するまで,その本が人を繋げていく,それが波紋のように広がり,人の救いになっていく…。  本書を読みながら,合わせて『さよならドグマ』を読んでみたくなりました。  あなたも繋がる一人に…。  読書メモより
○(第一章)「ええと,わたしが救われただけでは,わたしが駄目なんです。 ○(第二章)はっきり言って,こういうタイプの人間は嫌いじゃない。仕事ができるかどうかはともかく,人としての信頼に足ると思うし,どこか俺と似通った「駄目なところ」が見え隠れして,ついシンパシーを抱いてしまいそうになる。 ○(第三章)ごろり。  また,あの黒い石が,胸の浅瀬で転がった。 ○(第三章)むしろ,その行間からは,「いつでも,何があっても,君は一人じゃない。たとえ,大切な人と会えなくなる日が来たとしても,心はちゃんと寄り添っているし,『想い』は君とつながっている」という,あたたかなメッセージがにじみ出ているのだ。 ○(第四章)「物語の終盤で真衣ちゃんが言っていた,『わたしの人生は,雨宿りをする場所じゃない。土砂降りのなかに飛び込んで,ずぶ濡れを楽しみながら,思い切り遊ぶ場所なんだよ。あなただって,本当は,そうしたいんでしょ?』っていう台詞,鳥肌を立てながら,この手帳にメモしちゃいました」 ○(第五章)「人生の選択肢には正解なんてないけど,でも,いつか,その選択が正解だったって,胸を張れるように生きること。そういう生き方こそが,きっと正解なんだってさ」 ○(第五章)「過去を大切にすることも大事だけど,いまと未来を大切にしないと,いつかその過去まで否定することになるよ」
   目次 第一話 編集者・津山奈緒の章 第二話 小説家・涼元マサミの章 第三話 デザイナー・青山哲也の章 第四話 書店員・白川心美の章 第五話 読者・唐田一成の章
【関連】   ◇森沢明夫「マンガ 哲学の森沢」インスタで連載中! (@morisawa_akio)Twitter) ?【「いい話の図書館」】  ◇最近紹介した本   ◇『川があふれた! まちが沈んだ日』(古山拓・絵/チームキジ馬くん・編)(2021/11/01)   ◇『興福寺の365日』(辻明俊・著)(2021/10/01)   ◇『花は咲けども噺せども』(立川談慶・著)(2021/08/21)   ◇『ベランダに手をふって』(葉山エミ・作/植田たてり・絵)(2021/08/04)   ◇『風は山から吹いている』(額賀澪・著)(2021/07/15)  *以前に紹介した本は   ☆カテゴリー「いい話の図書館」から 「いい話の図書館」とは… 本との出逢いは,人生を変えます。辛い時,悲しい時,苦しい時,一冊の本が「生きる希望」を授けてくれます。  そこで,ステキな本との出会いを提供する「いい話の図書館」を全国津々浦々に作ったら,どんなに素晴らしいだろうと考えて館主を募集しております。「いい話の図書館」の館主のお仕事は,本棚にステキな本を並べて多くの人に自由に読んでいただくこと。そのステキな本は,テレビをはじめ,マスコミでも話題の小林書店のカリスマ店主,小林由美子さんが心を込めて推薦する本です。   ◇いい話の図書館【申込】   ◇小林書店さん (@cobasho.ai)Instagram写真と動画)   ◇志賀内 泰弘Facebook