『生き抜くための中学数学』(芳沢光雄・著)
天気のよい暖かい日になりました。台風が近づいていますが,進路が変わってきたからか雲のない青空でした。
科学雑誌Newton 11月号に『数学者たちを悩ませる「思考の迷宮」 数学パラドックス』の特集がありました。 ◇気象庁 台風情報
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ある命題とその否定命題が、ともに論理的に同等と思われる論拠をもって主張されているとする。これらの二つの命題が成り立つと結論する推論のなかに誤りが含まれていることを明確に指摘することができないとき、これら二つの命題を、パラドックス、逆理または逆説という。(日本大百科全書)「このゲームに賭けるか,賭けないか」に,数学の知識と思考で判断できますが,そこにパラドックスも…。 だから面白い,そんな興味をもって読んだ特集でした。 この夏,算数・数学の本を何冊か読みました。その中の一冊『生き抜くための中学数学: 中学数学の全範囲の基礎が完璧にわかる本』( 日本図書センター・刊)は,白地に青い文字が目立つすっきりした表紙でした。 帯に「ベストセラー「新体系・数学の教科書」シリーズ著者の最高傑作がついに登場!」とありましたが,初めて知るシリーズでした。 この本は,著者そして副題の「中学数学の全範囲」「完璧にわかる」が気になって選びました。 本書の特徴を,はじめにで著者は,次の4つをあげています。
○ 試行錯誤を大切にした語りかけ口調の文章なので,能動的に授業を受けているような感覚で,自然と数学に親しめる。 ○ 生きた題材や役立つ雑談,ビジュアル要素がもりだくさんなので,中学数学を,身近に感じられ,理解が深まる。 ○ 中学数学の全範囲の「基礎」が完璧にわかるつくりなので,小学校の算数でつまずいてしまった中学生や高校生や,中学数学から学び直したい大学生や社会人にも最適。 ○ 数学をまなぶことを通して,物事を論理的に考える力や,相手に客観的に説明する力が身につき,「数学を学ぶ意義」を実感できる。「小学生が算数で最初に習う数は,物の個数と結びつけた (略) という整数です。」と,算数の復習から始まります。話を進める中で,
(略) 等号記号(=)をしっかり書くと同時に,計算は原則として前から順に行うことが大切な約束です。のように,出来る(している)けど意識していない(忘れている)かもしれないことをゴシック文字で書かれています。 また,算数では習わなかっただろうが,大人になって見たり使ったりしているかもしれないことにも触れています。
なお,( )は小カッコといい,小カッコでたりないときは中カッコ{ },中カッコでもたりないときは大カッコ[ ]を使うこともあります。数や文字式,方程式を終え,図形になると“証明”が出てきます。 このあたりで,「えっ。」「あれっ。」「う〜ん。」と唸ってしまうかも…。 “語りかけ口調の文章でやさしく丁寧に説明”されていますが,読者はさまざまですので,戸惑う方もありそうです。 図や表,グラフから“分かった”として,読み飛ばすことも大切かもしれません。 中学生が,今の学習を俯瞰するために…。 高校生が,今の学習の基礎を振り返るために…。 大学生が,SPI・筆記テストの準備のために…。 社会人が,数学を楽しむために…。 あなたも,いかがですか。
目次 はじめに 0 章 算数の復習 1 章 数と文字式 2 章 1次方程式と1次関数 3 章 平面図形の定義と作図 4 章 平面図形の基礎的性質 5 章 2次方程式と2乗に比例する関数 6 章 相似と円 7 章 三平方の定理と空間図形 8 章 場合の数と確率・統計 索引【関連】 ◇『生き抜くための高校数学: 高校数学の全範囲の基礎が完璧にわかる本』(? 日本図書センター・刊) 【台風情報】 ◇台風16号(ミンドゥル・MINDULLE)