『総理の夫』(原田マハ・著)
曇り空から雨の落ちることもあった一日でした。
菅義偉首相の自民総裁選不出馬・退陣意向表明で,衆議院議員総選挙は史上初の任期(10月21日)満了後となる模様です。
自民党総裁選挙は,9月17日の公示を前に,マスコミが賑やかです。
“新しい総理大臣”の誕生することを予想したのではないでしょうが,『総理の夫 First Gentleman』(実業之日本社)が映画化され,23日に公開されることをSNSで知り,2013年初版を読みました。
二〇××年 九月二十日 晴天 この日を決して忘れまいと,日記をしたためることを思い立つ。 いままでも「護国寺の森の野鳥観察日誌」なるものを(略)と始まる,鳥類研究者の相馬日和の日記です。 日和が,“この日”に日記を書くことにしたのか,それを次のように綴っています。
本日,日記をしたためようと思い至ったのも,何はさておき,私の妻,相馬凛子という「神秘」を,書き残しておきたい,と強く感じたからだ。 本来,日記というものは私的なもので,公開を前提に書くものではないだろう。しかし私は,これを,後年,一般公開される前提で書き進めようと思う。この日記は,日和が亡くなった後に読むだろう「あなた」に向けて語られています。
私の妻は,今日,総理になる。 第一一一代日本国総理大臣 相馬凛子。 日本初の女性総理大臣が,誕生する日なのだ。鳥類学者の夫 相馬日和が「ファースト・ジェントルマン」として妻を支えることを決意し,妻の奮闘の日々を綴っていきますが,毎日とはいきません。それは,怒涛の日々であったり,○○だったりして,間があき,“振り返り”になることもあります。 「な〜んだ。同時進行ではないの…。」と思われるかもしれませんが,日和の体験と思いの語りで,その“とき・こと”に立ち会うことができます。 相馬凛子総理が掲げる“新しい社会”は…。 凛子総理の所信表明演説は,「国民の皆さん,私たちは,今日,生まれ変わりました。」と始まり,議場での野次も罵声も聞こえず…。 施政方針演説で,凛子総理は
一,消費税率の再引き上げと社会保障改革。 二,大規模な景気対策。 三,少子化対策と雇用促進。の3つを大きな方針として示し…。 解散,総選挙,そして…。 こんなリーダーがいたら…。 こんな国民の勢いがあったら…。 雑誌掲載から10年を過ぎていますが,現在の政治,社会と重ねても,“新しさ”を感じます。 映画を観る前に,投票をする前に,読んでみたい小説です。 【関連】 ◇原田マハ公式ウェブサイト マハの展示室 ◇原田マハ/Maha Harada official(@mahaharada_official)(Instagram写真と動画) ◇映画『総理の夫』公式サイト ◇【公式】映画『総理の夫』さん (@1stgentlemanjp)(Twitter)