集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

秋の気配…。 『先生のためのがんばりすぎない技術』(江越喜代竹・著)

ひまわり0802。 天気のよい一日でした。
 8月に入っても各地で厳しい暑さが続いています。お盆休みが始まる来週にかけても暑くなる可能性が高いとして、気象庁は高温に関する全般気象情報と高温に関する早期天候情報を相次ぎ発表しました。  日本列島には暖かく湿った空気が流れ込みやすくなるため、日差しが乏しくても気温が高く35℃以上の猛暑日となるところもあり蒸し暑くなる予想です。気温の数字以上に熱中症の危険性が高まりやすい状況です。
と予報が伝えている通り,日中の気温は上がり,湿度が高く蒸し暑く感じます。  でも…。  当地で吹く風が,8月に入って“変わった”気がします。間もなくトンボも変わってきそうです。  日の入り時刻も早くなっており,季節は変わってきます。自然の変化を感じられる感覚を磨きたいと思います。  みなさんの周りに“秋の気配”はありませんか。  ニュースで,“心の病”が原因で休職した教職員が,2019年度に5478人,前年度に退職した教員が817人と,過去最多だったと伝えていました。  また,ストレスにより「適応障害」を発症(?)する教職員も増えているそうです。  そうした“しんどさを感じている方”に,そして“がんばっている先生”に向けた『仕事の「しんどい」がスーっとほぐれる! 先生のためのがんばりすぎない技術』(学陽書房・刊)を読みました。  最初(Introduction)に「先生、がんばりすぎていませんか?」と問いかけてきます。
 心の仕組みに,「より強く意識したものが強化される」というものがあります。「まだ足りないからばんばろう!」と思う時,自分の中に「足らない」部分が強く意識され,いくらがんばっても「足りない」という出来事が起こり続けるのです。  学校の先生たちは,もう十分に「がんばって」いらっしゃるのではないでしょうか。
 この本を手にした先生は,「○○が足りない。頑張ろう!」と心当たりがありそうです。  著者は,そうした先生に「シャンパンタワーの法則」で,“行きすぎ”への気づきを伝えています。
 「誰かのため」という気持ちは,もちろん素晴らしいことで。しかし,それが行きすぎてしまった時に,果たして誰が幸せなのか,(略)  人間関係のシャンパンタワーで,一番上にあるのはなんと「自分自身」だというのです。一番上に自分があり,その下に(略) シャンパンをそそいていくと,満たされるのは下のほうの人たちだけ。シャンパンタワーをすべて満たすには,一番上にある「自分自身」を満たすことが必要なのです。
 一番上にいる“あなた”が満たされてこそ,家族そして周りの人たちが満たされ,「幸せになれる」と述べています。  Chapter1 で8つのワークを提案しています。4ページで1つのワークを説明し,その中に“自分のこと・気づき”を記入する欄が設けられています。
○ 自分の大切にしたいことは? ○ 自分の夢をリストアップしてみよう ○ 「理想の自分・理想の1日」を思い描こう ○ なぜ、「がんばろう!」としてしまうのか ○ 「先生として」がんばってきた中で得たもの ○ 「先生として」がんばってきた中で失ったもの ○ 自分が「ありたい姿」を描こう ○ 「何もしない」ことをしてみよう
 “がんばっている”あなたは,何を書く・書けるでしょうか。  ここで重要なのは,「今,実際にすべてがかなったかのようにリアルに」思い浮かべてみることです。  飯島波奈のColumnは,次のように終えています。
 自分を大切にしながらクリエイティブに生きる先生に教わった子どもたちは,きっと自分を大切に楽しく生きられる人に育つと思います。私にも小学生の子どもがおりますが,本当に子どもたちのためにも先生方は無理せず,もっと自分のために人生を楽しむことを考えてほしいと思います。
 学校に勤務し,教育に勤しむ“がんばっているあなた”のストレスが,本書の技術で無くなりはしないでしょうが,そのストレスを超える「したいこと」「楽しみ」「喜び」に出会い,ストレスを忘れるでしょう。  “がんばっているみなさん,いかがですか。
   CONTENTS はじめに Introduction 先生、がんばりすぎていませんか? Chapter 1 「先生」という役割を置いてクールダウンするワーク  Column1 「顔晴る」と抑圧 Chapter 2 生活の中に取り込める自分をラクにする方法  Column2 「モーニング・ページ」の効果――アトリエアムリタ 飯島波奈 Chapter 3 放課後の時間を30分増やす方法  Column3 「臨時休業」で見えてきた働き方と学校のあり方 Conclusions 「先生」という仕事でよりよい社会へ  Column4 自分の好きを追求する・公立小学校教師 林田仁志 おわりに──先生たちの笑顔が一番必要なもの 主要参考文献一覧
【関連】   ◇江越 喜代竹(note)   ◇Playful_teacher/Kiyotake.E@『がんばりすぎない技術』発売中!(@kiyotakechiyo)Twitter