集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『風は山から吹いている』(額賀澪・著)

花0715。 曇りの日でしたが,突然に強い雨が降ることのある不安定な天候の一日でした。  湿度が高く,気温以上に暑く感じました。  梅雨明けは,来週かな…。  「いい話の図書館」で29冊目の図書『風は山から吹いている ―― Why climb mountains with me?』(二見書房・刊)です。  本に恋する小林店長は,「本に恋する店主の呟き新聞」に
 山登りなんてしたこともないし,興味もないのに読み始めてやめられなかった。この引き込まれ感は何だろう。  人はもしかして自分の言葉で誰かを傷つけたかもしれないと,ある種の怖れを抱えたりする。山の厳しさと爽やかさが教えてくれるものは…。
とメッセージを載せています。  表紙は絵画風の“青空にそびえ立つ山の飛び出た岩”に立つ山男あるいは山女が二人描かれています。  そして,表紙をめくると,最近にない紙質の遊び紙(見返し)とでした。気になって,表紙カバーを外すと光沢のある表紙が表れました。  この装丁は…。  主人公の名は「筑波岳」,大学1年生です。高校では,スポーツクライミング部に所属し,インターハイ出場経験のある“将来を期待され”ていましたが,大学では続けないことにしていました。  そんな主人公の前に現れるのが,スポーツクライミング部部長の「国方晃」,登山部部長の「梓川穂高」です。そして,ミステリ研究会の「水瀬文彦」も。  それぞれが,と深くかかわっていくのですが,水瀬はいつも部室で本を読んでいるだけで,授業にも出席しているのか分かりません。
 クラブハウス棟へ向かい,ミステリ研究会の部室のドアをノックする。水瀬の声がした。 「生憎,穂高君は今日はまだ来ていないよ」  水瀬はいつも通り本を読んでいた。この人はちゃんと授業に出ているんdふぁろうかと,お節介ながら岳は思った。
 エピローグで穂高が振り返ります。
 ミステリ研究会とはいえ,水瀬が謎を解決してくれるなんて期待したことがない。だからあくまで相談しただけだ。けれど,「僕はミステリ小説が好きなだけで謎は解けない奴だから」と言いながら貸してくれた小説は,少しだけ役に立った…気がする。
 その「」は…?  なぜ相談した…?  役立ったのは…?
 「あれが聖岳。僕と(略)」  赤石岳,荒川中岳,悪沢岳塩見岳農鳥岳間ノ岳北岳仙丈ケ岳南アルプス聖岳から北に指先でなぞりながら,穂高が山の名前を紡いでいく。
 岳と穂高が山へ登るようす,山頂での会話…,山岳小説としても楽しめます。  そして,岳と穂高が抱える“苦悩”を感じながら,青年の姿が心にしみます。 宝剣岳0715。 さあ,二人と一緒に“”へでかけましょう。
   もくじ プロローグ 第一章 筑波山は晴れている 第二章 鍋割山に湯気が立つ 第三章 日の出山に洗われて 第四章 木曽駒ケ岳に偲ぶ 第五章 宝剣岳で君を暴く エピローグ
【関連】   ◇額賀澪 公式サイト ※右の写真は,知人のSNSより借用。 ※下の写真は,「キレット渡り」の昔の写真。
キレット0715。
?【「いい話の図書館」】  ◇最近紹介した本   ◇『人生に、エールを。』(志賀内泰弘・編・著)(2021/06/14)   ◇『ジュリーの世界』(増山実・著)(2020/05/22)   ◇『母からゆずられた前かけ』(宮川ひろ・著)(2021/04/20)   ◇『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(藤尾秀昭・監)(2020/03/02)   ◇『おもかげ』(浅田次郎・著)(2021/02/08)  *以前に紹介した本は   ☆カテゴリー「いい話の図書館」から 「いい話の図書館」とは… 本との出逢いは,人生を変えます。辛い時,悲しい時,苦しい時,一冊の本が「生きる希望」を授けてくれます。  そこで,ステキな本との出会いを提供する「いい話の図書館」を全国津々浦々に作ったら,どんなに素晴らしいだろうと考えて館主を募集しております。「いい話の図書館」の館主のお仕事は,本棚にステキな本を並べて多くの人に自由に読んでいただくこと。そのステキな本は,テレビをはじめ,マスコミでも話題の小林書店のカリスマ店主,小林由美子さんが心を込めて推薦する本です。   ◇いい話の図書館【申込】   ◇小林書店さん (@cobasho.ai)Instagram写真と動画)   ◇志賀内 泰弘Facebook