集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』(原田まりる・著)

花0516。 朝から雨の一日でした。  名古屋地方気象台から「東海地方が梅雨入りしたとみられる」と発表がありました。  平年(6月6日頃)よりも21日早く,統計史上2番目に早い梅雨入りとなります。昨日発表された九州北部,中国,四国に続き,今日の近畿地方も,平年より大幅に早い梅雨入りとなりました。  “梅雨の暮らし”を快適に過ごす工夫をしていきたいと思います。  題名を読んで「もしドラ」を思い出し,表紙を見て“手に取ってはマズイ”と感じた『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』(ダイヤモンド社・刊)を読みました。第5回京都本大賞を受賞した作品です。  ニーチェは,10年ほど前に『超訳 ニーチェの言葉』がベストセラーとなり注目されました。本を読んだと思いますが,“話ができる”ほどには覚えていないのが残念です。  高校生の児嶋アリサ(17)の元に現れたニーチェが,“哲学”を知らない彼女に,過去の哲学者たちが憑依した友人を紹介しながら“生きること”を語り考えます。
「(略) あと,私の説明は少し,独特な専門用語も多いですが,そのあたりはどのへんまで理解されていますか?」 「えっと,すいません。正直言って,ゼロパーセントです……」
 ニーチェ,紹介された哲学者との“会話”が描かれ,アリサの言葉の変化に成長が表れます。
畜群道徳,永却回帰,主体的真理,非本来的な絶望,苦悩と退屈,投企,対象化。先駆的決意,根源的時間……
 いつか聞いた,どこかで聞いた,でも覚えていない…,そうした言葉も,アリサとの“会話”で説明され,伝えられ,考えます。  哲学に興味がある人もない人も,素直に楽しめます。  アリサと一緒に,“哲学”た“考えること”を楽しみませんか。そして,アリサが巡る“京都の街”を愉しみ味わいましょう。  読書メモより
○ 「私はニーチェだ。お前に会いに来てやった」  目の前に立ちはだかった男は,たしかにそう言った。 ○ 私はお前を“超人”にするために,こうしてやって来た」 ○ しかしお前は,非利己的な自分を肯定して,自己中な自分を否定している。それはなぜだ? ○ しかし,ニーチェに出会う前よりも,心は少し軽くなっていた。 ○ そうだ,“ゴールだけに固執した場合”はそうだ。しかし,ゴールに行くまでの道のりを考えた時にはどうだろう? ゴールに向かう中で,ゴールから遠い人間にしか見られない景色もあるだろう。 ○ 『打ち勝つためお道と法オフはあまたある。それはお前が見つけなければならないのだ』 これに尽きる ○ 『虚栄はおしゃべりを,自負は口数の少ない者を生む』 ○ つまり,哲学=生きている意味を考える学問ではない。実存主義=生きている意味を考える思想であるのだ。哲学とは,さまざまなことに対して,本当にそうなのか? と疑いを持つことだ。 ○ 目に映るものはすべて“対象”として,自分の世界に映る ○ 自分の死を受け入れるまでには五段階あるというのです。 (注:否認・怒り・取引・抑鬱・受容) ○ 『死をもって生を見つめた場合に,人は代わりがきかない存在』なのです。(略) 誰一人,死に関しては代わりがきかない存在なのです。 ○ 人の話を聞いたり,本を読むことは,他の人の頭をつかって何かを知る行為です。そこから持ち帰って,自分の頭で考えてみることで,自分の考えが生まれるものです。考えることは楽なことではありませんが,自分なりの答えを模索し続けてください。 ○ 哲学するきっかけとなるものが,三つあるということです。(略)  一つは“驚き”,二つ目は“疑い”,そして三つ目は“喪失”。 ○ 人生の経験を理解するのも,歩いて行くのも結局は,自分自身で行うことです。そう言うと,寂しい感じがするかもしれませんが,孤独があるからこそ,個人があるといいますか。やっぱり孤独って寂しくもありますが,人にとって必要なものだと思うんですよ。 ○ 『幸せの扉は外に向かって開くので,突進しても開かない』。人は,“自分は幸せだ”と思える根拠があれば幸せになれたりするんだ。  “幸せの根拠”は外部ではなく,意外と自分の内側にひそんでいたりするもんだよ。
ニーチェ0516。
   目次 プロローグ 祝福できないならば呪うことを学べ 人生を危機にさらすのだ! いつもの自分自身をいたわることの多いものは … 人は自由の呪われている 他人とは地獄である あなたはあなたの一生以外の,何ものでもない … 真理は浸りからはじまるのだ 運命がトランプのカードをシャッフルし,我々が勝負する エピローグ 地図:アリサとニーチェたちが歩いた場所
【関連】   ◇原田まりる@アラデレ発売中 (@HaraDA_MariRU)Twitter)   ◇京都本大賞 (@kyotobontaisho)Twitter)   ◇令和3年の梅雨入りと梅雨明け(速報値)気象庁)   ◇東海の過去の梅雨入り梅雨明け日本気象協会
梅雨0516。