『セルフケアの道具箱』(伊藤絵美・著)
天気のよい日になりました。
5月中旬の週末,子供達は生き生きとしているでしょうか。
「学校の新しい生活様式」(Ver.6)とともに,新学習指導要領の実施,GIGAスクール構想と,“新しいこと”が続きます。
○ 教えた通りにしか使えない人より,勝手に工夫して使い方を見出す人の方が数倍エラい。 ○ “ルールより約束” ルールを押し付けても自分事でなければ守れない。デジタル・シティズンシップ教育では、相互の信頼のもとに交わす約束を強調します。 *豊福氏が発信している「#GIGAスクールの鉄則」から。子供が工夫して動き出す…。約束を創っていく…。 学校・先生の指導に“待つ余裕”は…。 「ストレスがたまって苦しい,人間関係で疲弊している,先行きが不安で眠れない…。」,そうした方に“セルフケア”を指南する『セルフケアの道具箱』(晶文社・刊)が,図書館の書架にありました。 はじめにで,「外在化(がいざいか)」を説明し,求めています。
本書において,「外在化」という専門用語だけは頻繁に使わせてもらっています。「外在化」とは,心や身体の減少について,紙に書き出したり,スマホに打ち出したりすることを言います。要するに,皆さんの心身の「内側」で生じた現象を,紙やスマホといった「外側」の媒体に「出す」ということです。それを「外在化」と心理学では呼んでいます。別の記事でも“アウトプット”が重要であることに触れましたが,本書でも,その価値・意味が述べられています。 新型コロナ禍の生活の中で,他とのコミュニケーションを通してアウトプットや外在化することが減っていたり失っていたりするかもしれません。 “新しい生活様式(暮らし)”において,これまで以上に「セルフケア」を意識していくことが,”心と体の豊かさ”を整えていくように思います。 “セルフケアの100個のwork”に,今と明日に合ったものがあります。
今日から実行できる100個のワーク ストレス、不安、不眠などメンタルの不調を訴える人が「回復する」とは、「セルフケア(自分で自分を上手に助ける)」ができるようになること。「洗足ストレスコーピング・サポートオフィス」の所長であり、30 年にわたってカウンセラーとして多くのクライアントと接してきた著者が、その知識と経験に基づいたセルフケアの具体的な手法を100 個のワークの形で紹介。裏付けとなるのは、「ストレスマネジメント」「認知行動療法」「マインドフルネス」「コーピング」「スキーマ療法」といった理論や手法。 それらを、一般の方がわかりやすいように、可能なかぎり専門用語を使わずに紹介します。コロナ禍で不安を抱える人にも!本書は,章の最初に見開きで「解説」があり,この章の10個のワークの説明をしています。そして,1つのワークは,説明とイラスト(図)が見開き(ほぼ)で示され,分かりやすくなっています。 また,途中で「ストレス心理学」「認知行動療法」「スキーマ療法」について専門的な説明をしています。ワークの背景が理解できます。(そんな気がする。読み飛ばしても困らない。) 本書は“縦書き”の図書ですが,Contents・目次ページは,章1ページごとの“横書き”になっていました。この構成なのは,セルフケアに関係があるのでしょうか。 読み終えても「??」のまま。 今日から始めるワークで,“調子のよい自分”を増やしましょう。 あなたにお薦めです。 読書メモより。
○ まず皆さんには,次頁に提示してある,2つの「ものさし」を使って,今のご自身の心身の状態をチェックしてもらいましょう。 ・「今,自分はどれだけ苦しいか」 ・「今,自分はどれだけしあわせか」 ○ というわけで,早速あなたにふりかかる物理的なストレッサーについて外在化しましょう。 ストレッサーを書き出してみる。 ○ 「マインドフルネス」とは,“自分の「今・ここ」の体験に気づきを向け,それらを判断したりすることなく,そんもまま眺めたり受け止めたりすること”というものです。 ○ 「レーズンエクササイズ」という有名なマインドフルネスのワークがあります。 ○ 全ての自動思考に,いちいち「〜と思った」という言葉をくっつけていくワークです。(第6章 work1) ○ 頭の中で「〜と思った」「〜を(と)感じる」と言葉にするだけでなく,それらを書き出す,すなわち外在化しまくる(略)(第6章 work3) ○ 「コーピング」とは,ストレッサーやストレス反応に対して,自分を助けるために,何かの対処をしたり工夫したりすることを言います。 ○(第9章 work1)「呪いのことば」にその場で気づく ○(第9章 work8)「希望のことば」を創り出す ○(第10章 work1) いくつになっても「内なるチャイルド」がいることを知る ○(第10章 work5)「内なるチャイルド」の存在を心と身体で感じる
Contents はじめに 本書への取り組み方 第1章 とりあえず、落ち着く 第2章 誰かとつながる 第3章 ストレッサーに気づいて書き出す 第4章 ストレス反応に気づいて書き出す 第5章 マインドフルネスを実践する(身体、行動、五感を使って) 第6章 マインドフルネスを実践する(思考、イメージ、感情に気づいて手放す) 第7章 小さなコーピングをたくさん見つけよう 第8章 生きづらさの「根っこ」と「正体」を見てみよう 第9章 「呪いのことば」から「希望のことば」へ 第10章 「内なるチャイルド」を守り、癒す おわりに【関連】 ◇伊藤絵美 (@emiemi14)(Twitter) ◇細川貂々「生きるのヘタかい?」 (@hosokawatenten)(Twitter)