『お寺の掲示板』(江田智昭・著)
朝,今日は晴れた日になると思いましたが,小雨が降ったり,冷たい強い風が吹いたりと“荒れた天候”の一日でした。
“例年並み”の気温だったのでしょうが,風で冷やされる寒い日で,冬に戻ったような感じがしました。
“春の陽気”が待ち遠しい。
寺院や神社の境内,門前で,「ことば」が掲げられているのを見たことがありませんか。
説法や名言・至言に,“心”が動きます。
お寺の門前に掲げられたユニークな言葉を紹介している『お寺の掲示板』(新潮社・刊)です。
著者は,「輝け!お寺の掲示板大賞」(主催・仏教伝道協会)の仕掛人です。本書は,第1回で集まった掲示から39点を紹介し,それに解説を載せています。
【関連】
◇江田智昭『お寺の掲示板』(新潮社)発売中さん (@tomoaki719)(Twitter)
◇輝け!お寺の掲示板大賞2020(公益財団法人仏教伝道協会 Society for the Promotion of Buddhism)
◇#お寺の掲示板大賞2020(Instagram ? 写真と動画)
「おまえも死ぬぞ」「NOご先祖、NO LIFE」「ばれているぜ」……お寺の門前に掲げられた、グサッと心に刺さる標語の傑作をセレクト。 難しい仏教用語は一切なし。お坊さんたちが考えに考え抜いた、生き方や人間関係のヒントとなるメッセージがここにある。最初の掲示板は,大賞作品『おまえも死ぬぞ』で,「誰もが一度だけ経験すること」の見出しで解説されています。
近年「お寺離れ」という言葉をよく耳にします。多くのご住職からも「お参りする人が昔に比べるとかなり減った」という話をよく聞きますが,お寺の前を通る人の数は昔とはそれほど変わらないのではないおでしょうか。 ならばと…本書を順に読んでいくと,街を散歩して掲示板を見かけたような“出会い”で言葉を味わえます。 また,目次から選んだり,写真を見て選んだりして,言葉を読むのもよさそうです。 いずれも,まず写真(掲示板)の言葉を読んで,ゆっくり“味わって”から,著者の解説を読むと,新しい“気づき”があります。 手元に置き,ちょっとした時間に開き,言葉を味わうとよいでしょう。 心の疲れた人,元気な人,みなさんにお薦めの一冊です。 読書メモより
○ それらは私たちが求めている刹那的な「あんしん」とは異なり,永続的に心に影響を及ぼすものです。仏教的な「あんじん」を求める生き方をしてみてはいかがでしょうか。 ○ 仏教には,「十善戒」という教えがあり,その中で口(言語)に関する戒が四つあります。嘘をつかない「不妄語」,二枚舌を使わない「不両舌」,悪口を言わない「不悪口」,無益なおしゃべりをしない「不綺語」といった具合です。 ○ バカボン=お釈迦さま説 (略) 「おでかけですか」と声をかけてくるレレレのおじさんは,チューラパンタカ=周利槃特が元になっていると言われています。お釈迦さまは教えを(略) ○ チャーリー浜のギャグ (略) 「なぜチャーリー浜がお寺の掲示板に?」と思われる方もいるかもしれません。これはこの本の中で何度も登場している「縁起」の教えにも通じる言葉なのです。
目次 はじめに 一 深い! 1 誰もが一度だけ経験すること 2 「愚かになってください」 3 迷惑かけずに死にたい 4 目を覚ませ 5 「怒る」と「叱る」 …… コラム(1) お寺の掲示板大賞について 二 うまい! 17 「南無」とは何か 18 「仏欲」を抱こう 19 命のリレー 20 お墓参りの意味 21 「いい加減」な修行 …… コラム(2) お寺の掲示板大賞の裏側 三 あの人の、あの言葉 31 樹木希林の死生観 32 アンパンマンと「無財の七施」 33 明石家さんまの人生哲学 34 石原裕次郎の名言 35 松山千春のメッセージ …… おわりに