集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『先生のための「話し方」の技術』(玉置崇・菱田さつき・著)

竹0216。 朝,雪や霰が降りました。気温も上がらず寒い一日でした。  台風のように発達した低気圧が,東北,北海道を襲っています。地震の被災地で,さらなる被害の出ないことを願います。  「コミュニケーションが大切…」なのは,誰もが思われるでしょうが,新型コロナ禍のなかで「上手くいかない…」「困った…」ということも増えました。  そのコミュニケーションが,話し方で“変わって”きます。  “先生の話し方”について,教師とコンサルタントが述べる“話術の教科書”『先生のための「話し方」の技術』(明治図書・刊)です。  聞く人が夢中になる話をされる著者(玉置氏)ですが,はじめにで
 教師の話し方について話題を振ると,話し方にはいささか自信をもっていた私の心に“さざ波”を立てる様々な苦言が出されました。
と述べています。この“さざ波”を明らかにしたいと読み進みました。  各章で,見出し,小見出しが内容を分かりやすく伝え,最後に「ポイント」2つでまとめています。  そして,“強調するところ(文)”に,網掛けが半分(蛍光ペンのイメージ?)されており,そこを書き出すだけで「要点ノート」が作れそうでした。  この網掛けについて,(本が高額になって現実的ではありませんが)「もし,カラー印刷にしたら色を何個にするだろう」と思いました。  1色,2色,3色,4色…,あなたならいくつ使いますか?  話すこと,聞くことについて,具体的なポイントが示されています。それぞれの項で“よく分かり”,“納得する”内容です。一部を書き出してみると
○ 五感情報を言葉にする ○ 単位を変えてみる ○ 客観情報で伝える ○ 大きく ゆっくり いったん止める ○ うなずき あいづち 質問 ○ うなずき 表情 リアクション ○ 背筋を伸ばす ○ ゆっくりと歩く ○ 目線をキョロキョロ動かさない ○ 笑顔を絶やさない ○ 今ここを楽しむ ○ 自己開示する ○ アドバイスシーキング ○ 知識より体験を語る ○ 感情を語る ○ 正論,一般論は語らない …
 どれも重要なポイントですが,これらを“自分の「」のポイント”にまとめ直すと,「なるほど」の気づきがあると思います。そうした読み方もできそうです。  第1章の最初に「何か伝えたい思いがあることが大前提になります」と出てきます。本書が伝える話し方の“もと”にすることで,読み進めながら「確かに」「真似しよう」「できそうだ」とポイントが入ってきます。  そして,第4章を
 はじめに思いありき。  そして伝えるための技術を磨く。  この世のすべての技術は,思いを伝えるために存在しているのです。
と,閉じています。  よく分かったのに,「何となく,すっきりしない。」と思われた先生がいたかもしれません。
・ 国語の授業で伝えたい“思い”って… ・ 計算を教えるとき,「できるように」って“思い”を… ・ たんぽぽの観察をするんだけど…
 教室で教科書を手に“上手く話せるように”と,本書を手にしたし,読んできたから,「思いなんてない」と感じて,すっきりしません。  本書に,この「こたえ(思い)」は書かれていません。  しかし,“思い”が大切なのは確かです。  では,○○の“思い”は,どこに…。  新型コロナ禍で,「マスクをして話す」ことは避けられません。本書を読みながら,技術とは別に「マスクを通して伝わる“言葉”を知る」ことが必要だと思いました。  そのために,Aと話したことを「A」と聞いてもらえているのか確かめます。そのときに,マスクのために,技術を使っても改善しない“自分の言葉”があるかもしれません。  それに気づいて,Aを伝える「B」に置き換えられれば,本書の技術で綺麗に相手に伝わります。  先生,話し方に自信がありますか。今日の話は子供達に伝わりましたか。  答えに躊躇した先生,すぐに本書を読みましょう。  明日の「話し方」が変わり,子供達の笑顔が増えること間違いなし。お薦めです。  読書メモ
○ 人の態度やしぐさは,その人の心の状態を雄弁に物語っています。この,聴衆が発している言葉にならない言葉を目で聞くのです。 ○ なぜ話さないのかを問う前に,気持ちに同意しました。 ○ 「教師は授業をするプロとしての自覚を持ちなさい」という言葉は(略) 逆に考えれば,「子どもは授業を受けるプロ」なのです。 ○ 話を途中で遮ったり,説得にかかったりしない。 ○ 聞いている人に思いは伝わりません。少しの勇気をもって,自分の感情をありのままに語ってみてください。 ○ それは「言葉」「話し方」「見た目」を一致させることです。何を一致させるのかというと,そのときの「感情」です。 * 章の扉が,上着,ネクタイ姿の男性が手を広げ…で同じ。
   もくじ Contents はじめに 第1章 あなたはどれくらい意識できていますか?   「話し上手」「聞き上手」になるための基礎知識  菱田さつき 第2章 話し上手は聞き上手!   教室で役に立つ「聞く」技術  玉置崇 第3章 実践しよう!   「話す」技術の使い方  玉置崇 第4章 これができればあなたも一流!   もっと話し上手になるための「応用」技術  菱田さつき 第5章 玉置崇×菱田さつき  対談 「話し方」の技術 おわりに
【関連】   ◇仕事日記 (*玉置研究室)   ◇菱田さつき オフィシャルブログ   ◇菱田さつき (@hishida6)Twitter