集団「Emication」別館

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コロナロス? 浄瑠璃姫(1) (つくで百話 最終篇)

花0130。 今朝も“白い景色”で,日中は青空でしたが,気温の低いままの寒〜い寒〜い一日でした。  調べ物をしていて「花個紋」を知りました。  一年366日,その日を表す紋で,四季折々の花を紋に表した“バースデーシンボル”で,今日1月30日は『枝金花茶(えだきんかちゃ)』でした。
  《個意ことば》 円満  みんなが幸せになることを考える,頼れる人。  周囲の幸せは自分の幸せであることを知っている人。誰かを犠牲にすることなく,機転を利かせて場を収める頭の良さを頼りにしている人も多いはず。   《花名》 金花茶  ツバキ科には珍しく黄色い花を咲かせます。小ぶりながら鮮やかな花色が印象的です。
 紋に描かれた花から,四季を味わってみませんか。あなたの近くに咲いているかも…。  昨日,今日とBuzzFeedに,人々の中に「“コロナが終わってほしくない”という思いがある」ことを指摘する斎藤環氏(精神科医)の記事がありました。  人々の思い,マスコミの報道,成功体験,同調圧力現状維持バイアス,共感性…
 複数の情報源を確保して,バランスを考えながら情報を取り入れてほしいです。  バランスの取れた形でリスクコミュニケーションを図るべきでしょうね。  「精神療法的なアプローチ」「対話的なアプローチ」で考えていく必要があります。  顔を見て,声をかわす機会をITが後押ししてくれることを期待しています。
 斎藤氏の話,あなたは,どう思いますか。あなたの“新しい日常”は,どのように変わっていきますか。  《前編◇コロナにうんざりしているはず (略)(2021/01/29 BuzzFeed News)  《後編◇メディアは「共感」や「同調圧力 (略)(2021/01/30 BuzzFeed News)    ◇岩永直子 Naoko Iwanaga (@nonbeepanda)Twitter)    ◇斎藤環 【小林秀雄賞】『心を (略) (@pentaxxx)Twitter)    ◇忽那賢志 (@kutsunasatoshi)Twitter)    ◇河野太郎 (@konotarogomame)Twitter)  『つくで百話 最終篇』(1975・昭和50年7月 発行)の「民族と伝承」の項からです。 ********     浄瑠璃姫  昔,むかし三河国矢作郷に三河国司を務めていた源中納言兼高という偉い人があった。兼高は金銀財宝をたくさん持っていたので,世間では矢作長者と呼んでいた。権力と財力を兼ねていたので,兼高は思いのままにふるまっていた。しかし,この兼高にも一つの悩みがあった。それは子どもが無いことだった。  そこで,あちこちの神社やお寺にお参りしたり,たくさんのお金を寄進したりして 「どうか,かわいい子どもをお授け下さいますように」と,お願いをしていたが,いっこうにきききめがなかった。  ある時,知り合いの人が 「鳳未寺の峯の薬師さまは,願いごとは何でもかなえて下さるというから,祈願をされてはどうか」と,すすめた。  そこで兼高は,早速奥方と共に,鳳未寺山に登って,峯の薬師さまのおこもり堂に篭り,三・七二十一日間一生懸命にお願いをした。  すると満願の二十一日目の真夜中に,お薬師さまが兼高の夢まくらに現れて 「汝らは,前世の因縁が悪いから子どもは授けられないぞ。たとい六尺の鉄の杖が一尺にへり,六寸の鉄の下駄の歯がすりへってしまうまで,三千世界を歩き廻って探しても,子どもは授らないぞ。」と,言われたので,兼高は力を落して泣きながら言った。  「お情けのうございます。なんとかして,わが子の顔を一目みて死にたいのですが,お聞き届けいただけませんか。」  「そんなに子どもがほしいなら,お前らのたのみをきいてやろう。だが,その時には,お前の家屋敷も,財産も無くなるが,それでも良いか。」  「ハイ,どのようになってもかまいませんから,子どもだけはお授け下さい。」と,兼高は,お堂の床板に額をすりつけてお願いした。  お願いを聞いていただいた兼高夫婦は,喜び勇んで矢作の家へ帰った。  それから間もなく,奥方は身ごもられて玉のように美しい女の子を,お産みになったと。  兼高は,この子の名を浄瑠璃と名づけた。浄瑠璃は成長するにつれて,ますます美しく利口な乙女になった。世間の人たちは,浄瑠璃御前と呼んで,おしたい申しあげた。  浄瑠璃姫が十五になった春のことであった。陸奥の国へくだる源義経と辨慶が,金売吉次に案内されて矢作長者兼高の家へ辿りついた。それは承安四年弥生十二日,朧月夜であった。  長者の家では,義経主従を迎えて至れり尽くせりのもてなしをした。おぼろ月の光を浴びながら浄瑠璃は琴を弾いた。義経は,母の形見のうすずみの名笛を取り出して吹いた。義経浄瑠璃はこれがご縁となって夫婦になることを誓い合った。  それから,いく年かの月日が流れた。  鎌倉の幕府から,源頼朝の使いが来て「早々と鎌倉へ下るように」と,伝えた。それより前,三河矢作の長者が源氏を婿にしたという噂が流れていたので,義経にゆかりのある浄瑠璃は不吉な予感がしたが,しかたなく侍女冷泉月小夜をつれて,鎌倉へ旅立つことになった。  浄瑠璃は,かねて両親の話で自分は鳳来寺峯の薬師の申し子であることを聞いていたので,峯の薬師にお参りして,道中の安全をお願いすることにした。鳳来寺山に登ってお祈りをしているうちに,お山の霊気にふれた浄瑠璃は,鳳来寺山をわが家のように慕わしく思うようになった。  鎌倉へ行けば,自分の生命は絶たれるに違いないと思うと,鎌倉への旅を続けることが恐しくなった。 (つづく) ********  注)これまでの記事は〈タグ「つくで百話最終篇」〉で  注)『続 つくで百話』の記事は〈タグ「続つくで百話」〉で  注)『つくで百話』の記事は〈タグ「つくで百話」〉で