『通常学級で役立つ 算数障害の理解と指導法』(熊谷恵子・山本ゆう・著)
朝は青空が見えましたが,間もなく曇り空になり,雪が舞いました。気温の低い,寒〜い日でした。
先日読んだ雑誌のコラムで,鴻上尚史氏がオンラインの演技指導を話題にしていました。
内容に納得して読みながらも,数や計算の内容で進むことが気になりました。
終盤になって,
画面越しの会話では,話し言葉という「情報」はちゃんと伝わります。 でも,「イメージや感情」はなかなか伝わらないのです。相手から感じる“イメージや感情”が,同じ「言葉(情報)」をポジティブにしたりネガティブにしたり変えることがあります。 この“イメージや感情”が,オンラインでは受け取りにくいのですが,発信側は,それに気づいていないことが多いようです。
なので,画面越しの会話の時は,「感情やイメージ」をちゃんと言葉の「情報」として語る必要が出てくるのです。これからの生活で,「オンライン」の比重は大きくなっていきます。その中で“イメージや感情”を上手に“情報受信・情報発信”ができるようする(なる)ことが大切だと,コラムを読んで考えました。 算数,数学の本や記事を読んだ中の一つ『通常学級で役立つ 算数障害の理解と指導法―みんなをつまずかせない! すぐに使える! アイディア48(Gakken)です。 題名にある「算数障害」は,以前に読んだ絵本で知った言葉(用語)ですが,本書に登場する「数字を書き間違う…,数の位がわからない…,計算ミスをする…」ということ,子供に,これまでに出会ってきました。 「学習障害の一つで…」と説明されていますが,誰にもある“傾向”とみてきました。 最初に「算数障害チェックリスト」が5ページで掲載され,続いて「数概念の基数性をチェック!」のワークシートと解答を示しています。 ここで,「どのような状態が算数障害なのか」か具体的に捉えることができます。 第2章で「計算する」「推論する」で4タイプずつ8名の子が登場します。
○ 数処理が苦手なAくん ○ 小さい数の計算が苦手なBさん ○ 計算の手続きが苦手なCくん ○ 空間の認識が苦手なDくん ○ 序数性が理解できないEさん ○ 基数性が理解できないFさん ○ 統合過程が苦手なGくん ○ プランニング過程が苦手なHくんそれぞれのタイプを,イラストと例えばの言葉,困ってい場面の紹介,「熊谷先生の解説」,「このような指導をしよう」の4ページの構成で説明しています。 具体的な子供の姿を思い描くことができ,障害の特性が分かりやすい記述になっています。
算数障害というと,数のシンボルを演算子という記号によって操作するという「計算」とそれを使った数的な「推論」が中心である。との説明があり,「なるほど」でした。 8タイプで登場する子供が,「形を見たら…」「箱を見たら…」「○○を触ったら…」と想像すると,そこに表れる“困り感”に気づけるでしょう。 算数の授業で“つまづく子供”が,何を困っているのか,見えてきます。 そして,どのように声をかけるか,指導の工夫をどうするか,考えることができます。 本書を読んで,保護者のお子さんにかける言葉が変わってきそうです。先生の授業が変わるでしょう。 いかがでしょう。
目次 はじめに 1 算数障害とは 算数障害かどうかチェックしよう! 「計算する・推論する」につまずきがある算数障害 2 算数障害の子どものタイプを知ろう ―この章では算数障害の子どもたちが登場します もっと知りたい! 算数と算数障害のこと 3 算数障害の学習指導法 4 測定・表とグラフ・図形の学習指導法 おわりに【関連】 ◇ネットの画面越しでは難しい、感情やイメージを伝えること/鴻上尚史(日刊SPA!) ◇熊谷恵子研究室ホームページ