集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『星のなまえ』(高橋順子・著)

花0127。 夜中には雨が大きな音を立てて降っていましたが,朝には上がり,晴れた日になりました。  知人から,中教審から「令和の日本型学校教育」の構築を目指しての答申が公表されたと情報をいただいて,内容を確認しました。  「なるほど。しかし“これは”…」  いろいろ思うことがありました。あなたなら。  星空に船(?)の浮かぶ表紙,そして“”に興味をもって『星のなまえ』(白水社・刊)を読みました。  本書は”星を巡る芳醇な香りに満ちあふれたエッセイ集”で,「」にまつわる話で埋まっています。  著者の図書を初めて読みましたが,『○のなまえ(名前)』の題名のエッセイがいくいつか発刊されているようで,一つの“言葉”を意識して着目して,まとめられています。  空を見上げると,そこに星があり,日が暮れると輝いてくる。その星空に浮かび上がる星座…  星座の話では88個ですが,歌や民話,作家の描いた星の話など,「ここに星の話があるのか」と,目次を見て驚きました。そして,「この星,いいなあ」に出会えました。
   星を見るまなざしの美しさと険しさ  『夫・車谷長吉』で今年度講談社エッセイ賞を受賞した詩人が、好評既刊『水のなまえ』に引き続き書き下ろした、星を巡る芳醇な香りに満ちあふれたエッセイ集。  「星々が美しいとしたら、どんなふうに美しいのか、どんなふうに語りかけてくるのか。それらとどのように付き合ってきたのか。どのように共鳴して心の弦を鳴らしたか。どんな劇に出会ったか」――  著者は古典から現代まで、詩歌から民俗学や旅に至るまで、星にまつわる多種多様なテーマを自在に逍遥し、さすがにどれも豊かな読後感が残って心地よい。  例えば「すばる」。清少納言のお気に入りで、「枕草子」の一節「星はすばる。彦星。夕づつ。よばひ星すこしをかし……」はよく知られているが、星の記述はこの一節だけ。そこから清少納言の思いを探ろうとする。  また小林一茶が自分を「我星」とよび、星に投影する姿を「我星はどこに旅寝や天の川」などの句例をあげて見てとろうとする。もちろん著者のお得意、北原白秋室生犀星堀口大學らの詩人が向き合った星への言葉も心に残る。  星について、思わず人に語ってしまいたくなる一冊だ。
と,出版社が紹介していました。  谷川俊太郎氏の項で,次のように述べています。
 そこには詩人の哲学がある。たとえば星Aと星Bがあるとする。その名で呼ぶとAとBの差異に目を向けないわけにはいかない。白か赤か変光星か,(略) といっている詩人は依怙ひいきしない。だから名前をおぼえない。名前の曇りをとりはらって,じかに星を見たい。
 この詩(谷川氏の詩)を読んで,このように感じた(考えたこと)はありませんでした。  「なるほど」,ものの見方,感じ方がくすぐられた気がしました。  著者と一緒に「」を眺めてみませんか。
   目次 1  流れ星・死の光  ほか 2  星の神  日本の星の民話  日本の星の名前  『枕草子』の星  ほか 3  私の『星の王子さま』  火星人  三島由紀夫『美しい星』を読む  草野新平のアンドロメダ  ほか 4  和歌に詠まれた星の意味  星の歳時記  地上の星  ほか 八ヶ岳山麓から──あとがきに代えて 参考文献
【関連】   ◇「令和の日本型学校教育」の構築を目指して〜全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現〜(答申)(中教審第228号)文部科学省)   ◇『恋の名前』(小学館・刊 2016)   ◇『水のなまえ』(白水社・刊 2014)   ◇『月の名前』(デコ・刊  2012)   ◇『花の名前』(小学館・刊 2005)   ◇『風の名前』(小学館・刊 2002)   ◇『雨の名前』(小学館・刊 2001) 【おまけ】  Twitterで見かけたフェイスシールド。  感染予防をしながら受験勉強。便利なのか不便なのか。  あなたには合いそうですか。