『SDGs―危機の時代の羅針盤』(南博・稲葉雅紀・著)
冷え込みのない朝でした。
朝から小雨が降り続く日になり,巣ごもりの一日でした。
「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」の文字・言葉を見聞きする機会が増えていると思います。
しかし,「SDGsって何ですか?」と問われて,しっかり答えられるかというと…。
これまで,ESD(持続可能な社会のための教育)やユネスコスクールへの取組みを通して,“持続可能…”について関心をもち行動をしてきました。
○ ESD = 持続可能な社会のための教育 ○ ESDとは,現代社会の課題を自らの問題として捉え,身近なところから取り組む(think globally, act locally)ことにより,それらの課題の解決につながる新たな価値観や行動を生み出すことです。そして,それによって持続可能な社会を創造していくことを目指す学習や活動です。ところが,2015年,国連で「17の目標と,それらを達成するための具体的な169のターゲット」とするSDGsの決議は,ESDから10年が過ぎ「持続可能な社会のための…」の拡大と捉えられますが,目標やターゲットの“多さ”に迷子(?)になりそうでした。 日本政府の元SDGs交渉官と民間セクターからSDGs策定に関わったNGO代表とが著者の『SDGs――危機の時代の羅針盤』(岩波新書)で,SDGsについて学びました。 本書は,“COVID-19登場後(新型コロナ禍)”の2020年11月の発行です。 現在人類が直面している“新しい危機”」と,それ以前の“古い危機”」とを繋げ・拡げて,SDGsの概要や交渉の経緯など述べています。
COVID-19の有無にかかわらず,慢性的危機は存在し,深化している。人類はいま,COVID-19と様々な慢性的危機の双方に同時に直面している。実際には,COVID-19がもたらす急性的な危機は,貧困や格差・環境破壊・汚染といった慢性的危機により増幅され,ますます大きなショックをもたらすものとなっている。第1章でSDGsについて,ていねいに説明されています。読み進めながら,「なるほど,分かった。」と思う一方で,「あれっ,他との違いは…」と迷ってしまうことがありました。 雑誌の特集で読む“解説”とは深さが違い,心して読まないと続かないかもしれません。自分は,しっかり読み切ることはあきらめ,飛ばし読みしながら概要を捉えることと,関心のある内容を読みました。 「SDGsについて知りたい」と求める内容があり,決議の背景なども触れられており,SDGsの入門書・概説書となっています。 新型コロナ禍の先へのアイデアを,本書からヒントが得られるかもしれません。いかがですか。
目次 はじめに──危機の時代の羅針盤 第1章 SDGsとは何か 第2章 国連でのSDGs交渉 第3章 日本のSDGs 第4章 「地球一個分」の経済社会へ 第5章 2030年までの「行動の10年」 あとがき SDGs(持続可能な開発目標)のゴールとターゲット【関連】 ◇JAPAN SDGs Action Platform(外務省) ◇2030アジェンダ(国連広報センター) ◇日本SDGs協会 ◇SDGs CLUB(日本ユニセフ協会) ◇SDGs副教材「私たちがつくる持続可能な世界〜SDGsをナビにして〜」ポータルサイト(子どもと先生の広場|日本ユニセフ協会) ◇ESD 持続可能な開発のための教育(文部科学省)※最近の更新なし