集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

「教採」は。鳥居強右衛門餘話(2) (つくで百話 最終篇)

ZOOM0123。 朝から雨が降って,明るさがなく肌寒い日でした。寒波が緩んでいて,雪になるような天候ではありませんでした。  予報では,関東甲信では,低気圧の影響で今夜から雪になり,東京都心でも積雪のおそれがあると伝えています。雪に不慣れな皆さん,お気を付けください。  新型コロナウィルス感染の拡大予防で,催しが中止になったり,規模や内容が変更されたりしています。  教員採用試験でも,実施方法や内容が変更されました。受験生は,これまでの準備や対策が「うまく活きるのか」「無駄になるのか」など,戸惑いや不安が大きかったようです。  岐阜県の状況が知りたいと,岐阜聖徳学園大学で教える友人に問い合わせると,学生(合格者)から話を聞いた方が実際のようすが分かると,その場を設けてくれました。  今日,二人の学生と話ができました。
「筆記試験では…」 「個人面接で○○と聞かれて…」 「これまでと○○が変わって…」 「学校で〜が多いので,○○の内容が…」 ……
 試験の内容,会場のようす,面接の状況…  詳しく丁寧に話をしていただき,今年の状況がよくわかりました。  緊張して試験・面接を受けたと思いますが,細かなことまで“再現”できており,とても感心しました。「そこまで気づいたの…」と驚くこともたくさんありました。  充実した大学生活を過ごし,学び続けてきた二人だと,強く思いました。4月からの教員生活を楽しんでください。  貴重な話を聞き,素敵な時間を過ごしました。ありがとうございました。  『つくで百話 最終篇』(1975・昭和50年7月 発行)の「民族と伝承」の項からです。 ********     鳥居強右衛門餘話 (つづき)    徳川公に救援依頼  川路に上陸した勝商は,褌一つの素っ裸で遮二無二雁峯山を目がけて走った。おそらく川上の鈴木金七郎の生家に立ちよって百姓の仕事着を借りたり,薪用のモヤや火打石をもらって一路山道を登り,狼煙松まで辿りつき,ここで合図の焚火をしたのでありましょう。モヤに火がつくと,付近の木の技を折って焚火の中へ投げこんだ。長篠城中では闇の中にチョロチョロ燃える火をみて,勝商が無事脱出したことを知ったであろう。その中に夜が明けると,盛に立ちのぼる煙によって脱出を確認したものと思います。  これまで多くの戦記に勝商が狼煙をあげたと書かれていますが,狼煙は狼の糞を乾したものを燃したものでした。狼の糞の煙は真直ぐに立つので,普通の煙と違うところから判別できるといわれていたのですが,濁流にとびこんだ勝商がこれを身につけていたとは考えられないから,焚火で合図をしたという皆川登一郎氏の説に従いたいと思います。  合図を終った勝商は,一気に雁峯山を登って荒原・田代・小林・手洗所を経て,市場の亀山城を横目でにらんで田原坂を馳け降り,岡綺城で大殿徳川家康に拝謁して,長篠城の危急を訴え救援を乞うたのでした。家康よりは,勝商の労をねぎらってお菓子を賜わりました。続いて織田信長にも引見せられ,面目を施して退去したのでありました。  勝商には,一刻も早く長篠城中へ徳川・織田両公援軍のことを知らせる,という使命が残されています。距離的にいうと,宮崎から作手をへて雁峯山へ行くのが近いのですが,山坂を登り降りするのに時間が多く掛ります。本宿から豊川・新城を経て雁峯へ登るコースは,平坦部が多いから距離は長くても走り続けることができるから,比較的早く目的地に着くことができます。市田疎開させている妻子にも一目あいたいという人情もからんで,勝商は豊川コースを選んだものと思われます。  長篠籠城に先だって,貞昌は城内に居た将兵の家族を縁故先へ疎開させました。勝商の妻子は郷里の豊川の市田に帰っておりました。家康から,その頃としては容易に手にすることのできなかったお菓子を賜わった勝商が,これを子供たちに喰べさせたいと考えて市田の家に立ち寄ったということはありそうなことと思います。八十余才で昨年逝くなられた市田の早川宅治さんは,「勝商が,縁先で子供らに菓子を与えて早々に立ち去ったということは,昔から言い伝えられていた」と言っていました。ここにも人間勝商の,ほのぼのとした温くもりがうかがわれると思います。 (つづく) ********  注)これまでの記事は〈タグ「つくで百話最終篇」〉で  注)『続 つくで百話』の記事は〈タグ「続つくで百話」〉で  注)『つくで百話』の記事は〈タグ「つくで百話」〉で 【関連】   ◇研究室日記(玉置研究室)   ◇教員採用岐阜県公式ホームページ)   ◇愛知県公立学校教員採用選考試験について(愛知県)   ◇公立学校教員採用選考文部科学省