『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』(島村華子・著)
天気のよい日になり,日中は“もう少しで2桁”という気温でした。
そんな中,巴湖の“湖面が凍って”いました。ただ寒いだけでは凍らないので,厳しい寒さが続いていることの表れです。
この冬は,まだ寒い日が続くかな…。
教育や子育ての書架で,表紙に「ほめ方」「叱り方」と言葉について書かれているだろうと『モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』(Discover・刊)を手にしました。
さらに見ると「モンテッソーリ教育」と「レッジョ・エミリア教育」の文字があり,著者は第一人者のようです。
以前紹介した『世界7大教育法に学ぶ才能あふれる子の育て方』(おおたとしまさ・著)にあった7大教育法の二つです。
「どのように褒め叱るのか…」と読みました。
今,子供を“褒めて育てる”ように言われます。それは大切だと思いますが,“褒めればよい”わけではありません。著者も
読書メモ
ほめるという行為で褒美を与えることは,罰と同じように,無意識であったとしてもやり方によっては子どもたちの行動やモチベーションを外的にコントロールし,その子の本当にやりたいことの妨げになる可能性があると述べ,本書の中で妨げになることを排除していく言葉や接し方を伝えています。 章や項により記述は異なりますが,まず「結論(ポイント)」を挙げ,その詳細を「説明」し,章の最後に「まとめ」ています。説明では事例で具体的な場面が示され分かりやすくなっています。
○ほめるときの3つのポイント 1 成果よりもプロセス 2 もっと具体的にほめる 3 もっと質問する ○叱るときの4つのポイント 1 「ダメ!」「違う!」をできるだけ使わない 2 結果ではなく努力やプロセスに目を向ける 3 好ましくない行動の理由を説明する 4 親の気持ちを正直に伝える印象として「子育てのポイントを,母親に向けて述べる」という記述ですが,本書は,ぜひ教職員の皆さんに読んでいただきたい内容です。 本書から,日々の“子供への言葉がけ”を振り返ることができると思います。お薦めです。
○ 条件付き子育ては世代を超えて引き継がれる可能性が高いことがわかっています。(略)自分の子どもに対して同じ手法を使ってしまう場合が多いのです。 ○ 「よい子」とは,どんな子どもでしょうか。静かに大人の言うとおりに動き,ルールにしたがう子でしょうか。 逆に「困った子」というのはどんな子でしょうか。大人の言うことを聞かず,自己主張をする子でしょうか。 ○ 「上手」「よくできました」と大人の評価を押し付けることを避け,見たまま(色・形・数など)を具体的に表現してみるのです。 ○ 罰と褒美の落とし穴は,どちらも与え続けないといけないというところにもあります。 ○ 相手への興味や関心を示すために,ボディ・ランゲージにおけるSOLER原則という基本動作を覚えておくと役に立ちます。 ○ 「子どもを尊重する」というのは好き放題にやらせ,まったく叱らないということではありません。 ○ 親世代の期待や子育てに対する意見にも傾聴したうで,誰のための子育てなのかということをテーマに,「ありがとう」の気もちをもちながら交渉してみましょう。
目次 はじめに 第1章 親の声かけ次第で、子どもは変わる 第2章 自分でできる子に育つほめ方 第3章 自分でできる子に育つ叱り方 第4章 子どもとつながる聞く習慣 第5章 こんなとき、どうすればいい?Q&A おわりに 参考文献【関連】 ◇著者インタビュー:「自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方」<前半>(Future Edu Tokyo) ◇モンテッソーリ教育(Wikipedia) ◇公益財団法人 日本モンテッソーリ教育綜合研究所 ◇レッジョ・エミリア教育とは(Educedia(エデュケディア))