集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

成人式。庚申待縁起(2) (つくで百話 最終篇)

成人式0110。 寒波で気温が低いままですが,青空の綺麗な一日でした。  今朝,晴れた空に「キラキラ光るモノ」が飛んで(?)いました。空には雪を降らすような雲は見当たりません。  「ダイヤモンドダスト」です。気温が低く,大気中の水蒸気が昇華してできたと思われます。氷点下の田舎の出来事でした。  新型コロナウィルス感染拡大で中止や延期をする自治体もありますが,「成人の日」(11日)を前に,各地で成人式が行われたようです。  本市でも,午後に「令和3年新城市成人式」が開催され,会場へは新成人のみの入場,その模様はケーブルテレビやネットで中継されました。  新成人の皆さん,おめでとうございます。  今後のご活躍と幸せを願っています。  『つくで百話 最終篇』(1975・昭和50年7月 発行)の「民族と伝承」の項からです。 ********     庚申待縁起 (つづき)    暁の歌に  しやうきやうや(聖教や)いねやさる寝や 我床に 寝たれど寝ねぞ 寝ぬぞ寝たれど と読んで,その夜は垣の元を三尺離れて寝れば悪鬼来ることあるべからず。三日以前より五辛肉食せず,穢らわしきことをせず,殊に血のいみをつつしみ,真実に祈れば必ず諸願は成就すべし。富貴なる人も貧なる人も,分に応じて,供物を供え,供養して信心をおこせと,わざわざ日本国中に弘め給えと宣うて,童子は天へあがらせ給う。  やがて民部僧都は,この事を世間に語り弘め給いて今につたえぬ云々と。  庚申の日は,戌の時・亥の時より供物を供えて文珠菩薩を礼拝し,子・丑の時に神酒・色々の丸き菓子を供えて,青面金剛童子を祈るべし。その後,南に向って三十三度礼拝すべし。その文に曰く  諸行無常 是生滅法 生滅己楽 楽己寂滅 為楽  この文を唱えて一念に祈れば,願いは成就疑いなし。梵天帝釈・四大明王・諸神天もかくの如く行い給うと経にみえたり。庚申を待つ人は三病の難をのがれ,又中風に逢わぬなり。貴賤上下共に物を惜むまず施しぬれば,来世にては地蔵菩薩が請けとり給いて,七倍にして返し給うなり。三年に十八度供養する功徳は,広大無辺の奇徳あることうたがいなし。仍而庚申待縁起如件。   祈念の仕方  まず南に棚を拵えて,供物・神酒・菓子を供え,香を焚き供え奉るべきなり。 庚申0110。 (注) 庚申日待の仲間は十戸乃至十五戸くらいで,戦時中の隣組程度の規模のものであった。仲間では一幅の庚申尊像の掛軸を持っていた。この掛軸は当番の家を順次持廻ることにしていた。軸の中央正面に青面金剛童子の像が描かれ,左右二人の女人は香炉を捧げ,その下に青鬼・赤鬼を配し,三匹の猿(見ざる・聞かざる・言わざる)と,雌雄二羽の鶏がいる。  掛軸は,先端に葉をつけた青竹につるし,その前面に小机がおかれた。この机に,洗米・水・赤飯・果物・菓子・餅・香の花・焼香台などが並べられる。  礼拝の儀式は,一同が起立礼拝してから着座,先達が「南無青面金剛童子」と唱えると,一同がこれを斉唱する。これを三十回くり返す。次に「南無帝釈青面金剛童子」を三回くり返す。先達は,お盆に香の葉を三十三枚いれておいて回数を数える。  昔は,起立・礼拝・着座・唱名の順をくり返したが,現在では着座のまま礼拝・唱名をくり返すところが多くなった。その後で,南無阿弥陀仏で念仏供養をして儀式を終る。  昔は,和服に庚申袴を着用したものであったが,今では洋服が大部分で,和服も袴なしの着流しですますものが多くなった。  儀式が終ると直会で,酒肴が運ばれて庚申日待の宴が始まる。それから赤飯がだされ,果物・茶菓の饗応もあり,日の出を待って散会したのであった。そこから庚申日待の言葉が生れたのであるが,近年は夜半にきりあげることが多くなった。古人が庚申日待をしたのは,庚申の夜に女房が懐姙するのを避けた配慮の跡がうかがわれる。何れにしても,ニヶ月に一度の庚申日待は信心と慰安を兼ねた重要な農村行事の一つであった。 ********  注)これまでの記事は〈タグ「つくで百話最終篇」〉で  注)『続 つくで百話』の記事は〈タグ「続つくで百話」〉で  注)『つくで百話』の記事は〈タグ「つくで百話」〉で 【参考】   ◇成人式には行かないで(岩田健太郎)(BLOGOS)
愛知県0110。