集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『ロンリのちから』(NHK『ロンリのちから』制作班・著)

紅葉1117。 暖かい一日でした。この時期に“この暖かさ”は,大丈夫なのでしょうか。  動植物の生育に影響がありそうです。  それでも,朝の道路は湿っています。気温が下がると凍結してきます。早朝に運転する方は,ご注意ください。  数年前,書店に並んでいた“ロンリのちから”が気になりました。NHK「高校講座」の同名番組が書籍化されたものでした。  関連書とともに並んでいましたが,そのままでした。  先日,図書館の書架にあるのを見て『ロンリのちから: 「読み解く・伝える・議論する」論理と思考のレッスン三笠書房を借り,読みました。  高校の映像部を舞台に,自主映画作りのドラマを通して「論理の仕組み」「論理的思考力の基礎」が楽しくわかる本です。  「楽しくわかる本」と図書紹介にあった表現ですが,監修者の言葉は,
 これは論理学の入門書ではありません。論理学というのは論理を理論化していく学問領域です。それに対して,この本はあくまでも実用的な論理力を開発することをめざしています。
と“否定”から始まり,ちょっと立ち止まってしまいます。その先に“実用的な論理力を開発する”と続きますが,何が違っているのかまごまごしました。  “ロンリ”を楽しむには,「登場人物紹介」から始め,ドラマに入っていくのがよいかもしれません。  本書では,10のロンリのちからが出てきます。順にドラマが進んでいきますが,気になるロンリから読むことができる構成になっています。  まず,扉で「学習のポイント」をあげ,次の見開きで「○○はなぜ?」などロンリが問われます。続く映像部のドラマで具体場面が描かれ,顧問の溝口先生が「ロンリのちから」で解決します。さらに「不思議の国のロンリ劇場」で,アリスやウサギが語り,最後に「解説」との組み立てになっています。  ドラマ部分の最後は,溝口先生の「そう,これがロンリのちから」で終えています。ただし,一つのロンリは別の言葉でした。そのロンリは?溝口先生は何と?…  「」を考える場面で,
午後10時を過ぎているなら,あそこのレストランが閉まっているよ。 逆に言えば あそこのレストランが閉まっていれば,午後10時を過ぎている。
との例がありました。  これは正しいですか?  正しくないとすれば,どこが間違っていますか。正しい逆は?  普段,何気なく聞いていたこと,話していたことに,新しい気づきがあるかもしれません。  また,情報番組のコメンテーターの話に“ロンリのちから”のない発言がいかに多いかも気づくかも…。  あなたもいかがですか。
   CONTENTS 目次 はじめに 監修者の言葉 登場人物紹介 ロンリのちから01 三段論法 ロンリのちから02 誤った前提・危険な飛躍 ロンリのちから03 逆さまのロンリ ロンリのちから04 接続表現・ことばをつなぐ ロンリのちから05 水掛け論・理由を言う ロンリのちから06 暗黙のロンリ ロンリのちから07 仮説形成 ロンリのちから08 否定のロンリ ロンリのちから09 類比論法 ロンリのちから10 合意形成
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