集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

詠設楽郡村号鄙歌(1) (つくで百話 最終篇)

ツツジ1113。 天気が良く,風がなく,日中は過ごしやすい天候でした。

 今日は,地区で保全会の作業がありました。耕作地の草刈りをしましたが,“新兵器”の威力を目の当たりにし,驚きました。

 皆さんが手際よく作業を行い,どんどん刈り取られていきました。

 お疲れさまでした。明日も,作業が予定されています。よろしくお願いします。

 今年,ベートーヴェン生誕250周年です。

  ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770/12/16〜1827/03/26)

 テレビやラジオで特集番組が放送されています。先日の「林修の今でしょ!講座」は,ヴァイオリニストの葉加瀬太郎さんが先生となって学んでいました。

 そのなかで,カラヤンヘルベルト・フォン・カラヤン)の指揮する映像(演奏)が流れました。「いいなあ」と懐かしく感じて聴き(見)ました。日本でも人気のある指揮者でしたが,「今,どのくらいの人が知っているのだろう」と,ふと思いました。

 あなたは,ご存じですか。

 『つくで百話 最終篇』(1975・昭和50年7月 発行)の「民族と伝承」の項からです。

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    民族と伝承

 設楽郡村号鄙歌

*右図

 修正復原詠設楽郡村号鄙歌

      鈴木健一郎(元立命館大学教授・岐阜短大教授)

歌1113-1。

1 山人の栖みし巌嶺は

2 上代大国主と少彦

3 常盤堅盤に下り給ひ

4 蓬来宮と云ふ成るを

5 異教の伝はりて

6 方便附会の行はれ

7 鳳来寺とぞ称へける

8 麓の門谷立出でて

9 峯横山ゆ眺むれば

10 四方の田代も吉村や

11 黒谷大草掻分けて

12 岡の長篠長かれと

13 並べて植ゑし麻畑に

14 下代とや下平

15 誰の御法の寺林

16 引地の縁の橋平

17 芋生の峠は大峠

18 温泉谷も湯屋(湯谷)とぞ呼びなせる

19 八十瀬の河合(川合)渓の宇連

20 うす紅葉なす柿平

21 槙立つ中の畑池場

22 長峯の名の余波とて

23 奈根と誥げしはいつの世に

24 誰川角と号けけん

25 立ち寄近の辺てふ

26 餘所の梢とは別所なる

27 薗部(薗目)の花の綻びて

28 下田の外面渉りけり

29 神田の苗代堰きとむる

30 三瀬うたかた粟代の

31 あはれを伝え百千歳

32 湲に古戸や設楽てふ

33 名は大神の岩戸出に

歌1113-2。34 鈿女の神のみかぐらを

35 奏で給ひし謂にて

36 旧める里の小夜神楽

37 隈なき月の平山に

38 御園小林冴え渡る

39 冬の山路に足込て

40 雪解溝渕大沢や

41 黒川野辺に老平

42 兎鹿志満(兎鹿島)守の大立と

43 小谷下中久名剽めつつ

44 佐太の六郎八郎の

45 河内樫谷下大谷の

46 山間袋に新小田を

47 ひらきはじめて阿平をも

48 ひさぐ市原小造に

49 淡き栗世や送るらん

50 険しき坂場(坂宇場)あし引の

51 山の遠方津具の郷

52 宗良王の御歌には

53 血喰の里とぞ詠み給ふ

54 田口に次く小松野に

55 向林の永江沢

56 田枯怒田輪柿平

57 川向なるは大名倉

58 井沢(猪沢)清水一之瀬(市之瀬)に

59 落つる大窪(大久保)大平

60 繁る於本桑(大桑)若林

61 浮世の久原松本に

62 忘れ貝津田早乙女の

62 渡る逢野瀬(大野瀬)待ち尽す

63 馬場を万場の俗語り

64 湯屋寺脇に神子谷下の

65 並ぶは何の所縁ぞと

66 いつ河口(川口)の端にかかる

67 思いはじめの初野入

68 否にはあらぬ稲橋を

69 渡る逢野瀬(大野瀬)待ち尽す

70 恋の中当なかなかに

71 知らぬ昔ぞ勝りける

72 小田木川手も余所に見て

73 押山もとの桑原や

74 いつの都の御所貝津

75 稚たる名に引替へて

(つづく)

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