集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『発達障害グレーゾーン』(姫野桂・著)

蝶1023。 朝,強めの雨が降っていましたが,次第に弱くなり,夕方には晴れ間も見られる天候でした。  今年は,アサギマダラを見ていません。藤袴に咲いた花が少ないからかと思います。  寒くなってきていますが,これから満開になり,アサギマダラを誘うでしょうか。さて…。  先日,人間ドックに行った際,新型コロナウイルス感染症対策がしっかりされていました。受付から案内そして検査と,すべてが3密とならないように工夫されていました。  その一つが,予定された“検査順”が,個々に違う順序となっていました。小さな用紙で“個別の順序”が示されているのでが,そのことを検査の終盤になって知りました。  スタッフは親切で,困ること迷うことはありませんでしたが,“発達障害”の方々は困るのだろうなと思いました。  親切で丁寧なことと,困らないこととは別のことだと思います。  その日,待ち時間に読もうと持っていったのが『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書でした。  「発達障害」が一般(?)に知られる用語となり,子育てのなかで“困り感”の原因として言われることも増えたように思います。発達障害に関する情報や知識を承知していると思っていますが,『発達障害』(岩波明・著)では,ASDや診断基準DSM-5の状況などを知りました。  研究や治療法が進み,事例や症例が増えることで,新しい知見が生まれています。  本書では,発達障害と診断されるには至らないが,同じ“困り感”を抱えながら生活している“グレーゾーン”にいる方,そして状況・対応について述べられています。
(略) 部分的に苦手なジャンルが生じるケースもある。  そして,これらは後天的に発症するわけではなく,生まれつきの脳の機能の問題とされている。昨今「大人の発達障害」という言葉を耳にすることが増えたが,これは「大人になるまで見すごされていた障害」というほうが正しい。
 本書では,グレーゾーンにある人々を「グレさん」と称しています。
 主にこの「傾向がある」と「診断がおりる」の間にとどまったままの人たち。
 本書が,グレさんや発達障害について述べていて,「自分には無縁のこと」と思われる方もみえると思います。  しかし,誰にも“発達障害の面(傾向)”を持っているように思います。本書に登場するケース(事例)のなかに「そういう経験がある」という事柄が見つかることでしょう。  第6章に「生き抜く法」「ライフハック」が述べられています。グレさんはもちろんですが,誰もが心がけると,これまでと少し違う“景色”が見られるように思います。
○ 仕事でのケアレスミスを少なくする方法 ○ メモや電話が苦手なときの対処法 ○ 忘れ物をなるべくなくす方法 ○ 遅刻やスケジュールのミスを防ぐ方法 ○ マルチタスク対策や「先延ばし癖」を防ぐ方法 ○ 会社の同僚とうまく付き合う方法 ○ プライベートでの困りごとに関して
 あなたにも「内容を知りたい」という見出しがありませんか。  本書は,具体的な事例や体験から述べられており,そこに分かりやすさと分かりにくさがあります。  発達障害についての研究や理論について知りたい方は,別の本を先に読まれておくとよいでしょう。  あなたの“困り感”が和らぐ一冊になることでしょう。
   目次 はじめに 第1章 グレーゾーンとして生きる人たち 第2章 グレーゾーン限定の茶話会「くれ会!」体験記 第3章 「グレーゾーン限定の会」は,なぜ生まれたのか? 第4章 グレーゾーンを生む「発達障害診断」の真実 第5章 グレーゾーンにとって必要な「支援」の形 第6章 グレさんたちが見つけた「生き抜く方法」 おわりに
【参考】   ◇姫野桂@執筆中 (@himeno_kei)Twitter)   ◇姫野桂(note)   ◇西脇俊二 (@nishiwakicom)Twitter) 【参考記事】   ◇『発達障害』(岩波明・著)(2017/09/06 集団「Emication」)   ◇『LDは僕のID』(南雲明彦・著)(2018/06/04 集団「Emication」)   ◇『子育てで一番大切なこと』(杉山登志郎・著)(2018/11/06 集団「Emication」)