『感染症対人類の世界史』(池上彰・増田ユリヤ・著)
肌寒さを感じる朝でしたが,日差しのある晴れて暑い日になりました。明日も良い天候のようです。
午後,自民党の新総裁に菅義偉氏が選ばれたとのニュースが流れました。
有効投票数534のうち377票と7割を得ての選出です。圧倒的な数は,どのような“力学”を生むのでしょう。
新総裁が,新しい総理大臣となり内閣が誕生します。その“政治”に関心をもち,期待していきたいと思います。
“教育系YouTuber”の二人が,感染症について対談する『感染症対人類の世界史(ポプラ新書)が,新型コロナウイルスについて感染と不安の広がる4月に緊急出版されました。
「はじめに」から第7章まで対談形式で進み,専門的な内容,踏み込んだ話も,“話し言葉”の分かりやすさがあるように感じました。
読んだのは最近で「なるほど」「そうだな」と納得する内容でしたが,緊急出版された時には「新型コロナウイルスのことではないのか」と思いながらも,「人類はこんな経験をしてきたのか。」「病気を克服し,新しい世界を拓いた。」などと,分からないことへの“不安を和らげる”感想を持ったのではないかと思います。
池上 (略) 人間は常に自然に翻弄されてきたんです。 増田 そうですよね。だから歴史書の原典を読むことっておもしろいんです。すべてを読めなくても何度も同じ用語が出てくると,意味がわかるものであれば理解できますし,たとえ意味がわからなくても,そのことが重要だとわかりますよね。(略)教育系YouTuberの会話らしいといえるかも…。 教育に携わる方が読んだとき,内容はもちろん,ちょっと横道に入ったようなところに“学びの発見”があるかもしれません。
増田 シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』は,一五九五年頃が初演と言われています。話の大きなポイントに実はペストが登場するんです。 池上 えっ,そんな話だったっけ…。ちょっと待ってよ。ロミオとジュリエットは(略)戯曲の内容を思い出せますか。 2016年の話題が思い出せませんでした。
池上 二〇一六年,ロシア・シベリアのヤマル半島という場所で炭疽病の集団発生があり,亡くなった人もいます。(略) 増田 そんなことが…。温暖化は感染症にまで影響を及ぼすのですね。 池上 今後,さらに温暖化が進めば,永久凍土の中に眠っていた(略)炭疽病を耳にしていますが,どんな病気で,どのように発生,収束していったか思い出せませんでした。 そして,温暖化が影響しているとは思っていませんでした。 「第2波が収まった」と安心したり,「元のように」と立ち止まっていたりしますが,新型コロナ禍により「パラダイムシフト(パラダイムチェンジ)」の時を迎えている(起こっている)のを,歴史が教えてくれています。 本書から,あなたの“パラダイムシフト”を考えてみませんか。
目次 はじめに 第1章 シルクロードが運んだ病原菌 第2章 世界史をつくった感染症――天然痘 第3章 世界を震え上がらせた感染症――ペスト 第4章 感染症が世界を変えた――日本編 第5章 世界大戦を早めた「スペイン風邪」 第6章 人類の反撃始まる 第7章 今も続く感染症との闘い おわりに 参考文献【参考】 ◇公式 池上彰と増田ユリヤのYouTube学園 (@Ikegami_masuda)(Twitter) ◇公式 池上彰と増田ユリヤのYouTube学園(YouTube)