集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

事故を考え,災害を考えた。『富士山噴火』(高嶋哲夫・著)

花0812。 暑い日が続いています。みなさん,倒れていませんか。    1985年8月12日,日本航空123便が,群馬県御巣鷹山に墜落しました。  犠牲者520名の大惨事,あれから35年が過ぎました。  新型コロナ禍の今,35年という時を“振り返ること”,そこから“つなぐこと”は,何だろうか。  午後,録ったままだったNNNドキュメントシリーズ戦後75年」の2本(広島,長崎)を続けて観たからだろうか,考えるほどに迷走するような慰霊の日でした。合掌  ネットで“御巣鷹山”の話をいろいろ読み,リンクから“災害”の話題に広がりました。  そこに“富士山噴火”が出てきました。大地震の発災とともに,富士山の噴火も,「今起こっても不思議ではない」と言われていることです。  考えるほどに迷走することの多い日です。  『首都感染も,今を予言したような内容でしたが,それより前の本『富士山噴火』(集英社文庫を読み返し,“心づもり”が必要かと,考えるほどに迷走します。  当時の紹介文には,
 『M8』で首都直下型地震を、『TSUNAMI』で巨大津波を。  常に最新の研究データに基づいて予言的ともいえる数々の防災アウトリーチ小説を生み出してきた高嶋哲夫。  待望の最新作で切り込むのは富士山の大噴火!  噴火予測年は2014年±5年、想定死者数最大1万3千人、被害総額2兆5千億円ともいわれる、直近かつ最大の危機に真っ向から挑むとともに、父と娘の絆の再生を描き出す。  感動のノンストップ防災サバイバル・エンタテインメントが誕生した!!
 物語は,“3年前に起こった「平成南海トラフ大震災」”から立ち上がっていこうとする人々に,富士山が“不気味な動き”を見せてきます。  そのようす見て,元自衛官,新聞記者,地震学者,福祉施設の入居者など,いろいろな人が“動き出し”ます。  すでに,噴火予測年を超えています。南海トラフ大震災も起こっていません。  当時のインタビューで,著者の高嶋氏は
 大地震の発生や富士山の噴火は「予言」ではなく「科学」だと…  ある意味単純なことで、日本列島の地下にはいくつかのプレートが交錯して動いている。ストレスが溜(た)まり、定期的に跳ね上がるのが地震です。こうした事実と過去の歴史を把握していれば、南海トラフ地震も富士山の噴火もいずれは起こる。問題は『規模』でしょうね。これは小説なので、『最悪のシナリオ』を書きましたが、富士山噴火の際に何が起きるか、をだいたいは分かってもらえると思います。
と。  噴火予測年は過ぎています。南海トラフ大震災も起こっていません。  でも,想定外の東日本大震災は,突然やってきました。  「いつか来る…」と言われながらも,時間とともに気持ちが緩みがちです。  登場人物が語りかけます。
・「十分な準備と訓練,それから強い意志は,不可能を可能に近づける」 ・「住民の避難規模は?」  「町全体だ。住民のすべてが町を捨てる」  新居見の口から捨てるという言葉が無意識のうちに出た。 ・「常に最悪を想定して行動するのが危機対応の鉄則だ。自然災害も同じだ」 ・「本物の指揮官だ。彼のおかげで何人の命が助かったか」 ・「目の前にあすじゃろ。双子の富士山もなかなかおつなもんじゃ」
 事故,災害,新型コロナ禍…考えるほどに迷走しますが,住む地の“最悪のシナリオ”を指揮官のあなたが乗り越えていく姿を思い描いて,小説のドキドキを楽しみませんか。  暑さも忘れて,夢中になれるかもしれません。 【関連】   ◇8・12連絡会〜日航ジャンボ機 御巣鷹山墜落事故 被害者家族の会   ◇【特別手記】「御巣鷹山」48時間の地獄絵図(デイリー新潮)   ◇「富士山」のマグマに異変が 専門家が警鐘「いつ噴火してもおかしくない」(デイリー新潮)   ◇「富士山が噴火するんじゃ…」心配する室井滋が専門家に聞く(NEWSポストセブン)   ◇WEB特集 発見!富士山噴火で消えた村 300年の時を超えた教訓NHKニュース)   ◇NNNドキュメント日本テレビ)   ◇高嶋哲夫オフィシャルページ